WeaponDict:Category


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形式は以下の通りです。

名称 : 呼称やスペリング。 分類 : 武具の大まかな種類。
所持者 : 主な所持者。 出典 : 主な登場元。

解説文 : 出自、性能、その他エピソード等。下線は他の武具へのリンク。



刀剣、短剣

アエグリン
--- ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。オルクリストグラムドリングと共にオークとの戦争の時に作られ、失われ忘れ去られた上のエルフの長剣であり、これら三振りの剣の中で最も強力であるとされる。合金イシルナウアで作られ、紫色で飾られており、周囲にゴブリン(オーク)がいると冷たく青く輝く。アングマール南部の山地に住むドレイク、コルラゴンの持つ宝の中にあるという。アエグリンとは『光鋭きもの』の意。

アキレウスの武具
Achilleus
武具一式
アキレウス ギリシャ神話
ギリシャの英雄、アキレウスの持つ武具。鍛冶の神ヘパイストスによって作られたもの。
胸当て、兜、脛当て、楯、剣、槍から構成されており、その中でも特に槍は巨大で重く、普通の人物には扱えないほどのものであった。その槍でつけた傷は通常の方法では治らず、その槍の穂先を削った粉末を傷口にふりかけることによってのみ治す事ができたという。
この武具の特徴は、本人以外の英雄達の間を渡り歩いた事である。最初はアキレウスの親友、パトロクロスに貸し与えられるが、彼はトロイアの英雄ヘクトールに殺され、武具を奪われてしまう。アキレウスはヘクトールを打ち負かし武具を奪い返すが、トロイアの英雄を余りにも殺し過ぎたためにアポロの怒りに触れ、殺されてしまう。彼の死後、武具はギリシャで最も優れた英雄に与えられる事となり、その候補であるアイアスとオデュッセウスのうち、投票により僅差でオデュッセウスに与えられた。その後、オデュッセウスはそれをアキレウスの息子ネオプトレモスに与えた。その武具は息子である彼にぴったりと合ったという。

足咬み
--- アイスランドサガ『ラックサー谷の人びとのサガ』
「ラックサー谷の人びとのサガ」に登場する名剣。柄はアザラシの牙でできており、刃は決して錆びつくことがなかったといわれる業物。

アスカロン
Ascalon
聖ジョージ キリスト教伝承『聖ジョージの竜殺し』
竜殺しの異名を持つイギリスの聖人、聖ジョージの持つ剣。
聖ジョージはキリスト教における7人の英雄のひとり。アスカロンは、彼がクレオドリンという少女を助けるため竜と戦った際に振るっていたものである。竜はキリスト教にとって敵対者の化身であり、竜殺しの伝説は各所に見られるが、イギリス国内においてドラゴンスレイヤーとして最も認知されているのはやはり彼であり、現在も4/23が聖ジョージの日として信仰されている。

アゾット
Azoth/Azzauq
短剣
フィリップス・アウレオールス・テオフラスト・ボムバストウス・フォン・ホーエンハイム(パラケルスス) 史実
医者であり、大錬金術師でもあったパラケルススの持っていた剣。柄頭に丸い玉がはめ込まれており、そこに呪縛した悪魔が封じ込まれているのだと信じられていた。そして鍔元の方の象牙の容器には、卑金属を貴金属に変え、万能薬にもなるという「賢者の石」が入っているという。
正確にはアゾットとは剣に刻まれた銘で、錬金術における重要な象徴でもある。その語源は、アラビア語で水銀を意味するazzauqが訛ったものであるという説、どのアルファベットでも最初にくる文字『A』に、ラテン語の『z』、ギリシア語の『o』、ヘブライ語の『th』とそれぞれの言語の最後の文字を加え、始まりと終わりを象徴するという説などがある。
魔術祭儀用の短剣の総称としても用いられる。

アランルース
Aranruth
シンゴル John Ronald Reuel Tolkien創作
灰色エルフの王、シンゴルの持つ剣。ドリアス滅亡後もエルウィングによって持ち出され、エルロスに与えられてそのままヌメノール王の剣として伝えられたが、ヌメノールの没落で失われた。アランルースとはシンダリン語で『王の怒り』の意。

アリーウスの剣
--- アイスランドサガ『勇士殺しのアースムンドのサガ』
「勇士殺しのアースムンドのサガ」に登場する二振りの名剣のうちの一振り。封印されていた残りの一振り、オリーウスの剣と交わるが、叩き折られる。

アルマス
Almace
チュルパン フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュ大帝に仕える大司教、チュルパンが最後にとりだして振るう剣。褐色の鋼の刃をもつ。『氷の刃』と例えられるところから、切れ味が鋭く、美しい剣だったと思われる。この剣名が明かされる場面では、チュルパンは既に矛4本に体を突き刺され瀕死の状態だが、尚も大軍に向かい、千回以上も斬りつけるという奇跡を起こす。アルマスとは『慈悲』の意。また「カルル大王のサガ」では、アルマツィアという剣が登場する。

アルマツィア
Almacia
カルル ドイツサガ『カルル大王のサガ』
イヴィンの息子マラキンがカルルの城を訪れ、十四年間も監獄にいる兄弟アブラハムを釈放して欲しいと頼み、イギリスの鍛冶屋ガラントが鍛えたという三本の剣を持参した。カルルは釈放と引き換えにその剣を手に入れた。このうち二本目の剣は山積みの鋼にわずかに斬り込むことができ、カルルはこれをアルマツィアと名付け、異教徒を討つのに良い剣だ、と評した。一本目はクルト、三本目はデュルムダリ。アルマツィアとは『慈悲』の意。

アロンダイト
ランスロット ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
アーサー王に従う円卓の騎士の中で最も強く、最も華麗であるといわれるランスロット卿の愛剣。アロンダイトは優れた剣であり、刃こぼれもしないとされているが、その活躍の場面は少ない。唯一、アーサー王の后、グィネビア王妃との不倫が発覚し、王妃と共に逃げる際に、親友であるガウェイン卿の3人の弟、ガレス卿、ガヘリス卿、アグラヴェイン卿を殺してしまった時に振るわれただけである。

アングウィレル
Anguirel
エオル John Ronald Reuel Tolkien創作
エオルが隕石からアングラヘルと共に作り出した剣で、対となるアングラヘルと並び中つ国で最も強力な剣の一方。隕鉄による黒い刃をもち、地上のどんな物体であろうとたやすく切り裂く。後に息子のマイグリンが盗み出して用いる。アランルースとは『熱い星の鉄』の意。

アングラヘル
Anglachel
トゥーリン・トゥラムバール
ベレグ・クーサリオン
John Ronald Reuel Tolkien創作
エオルが隕石からアングウィレルと共に作り出した剣で、対となるアングウィレルと並び中つ国で最も強力な剣の一方。後に鍛え直されてグアサングとなる。アングラヘルとは『燃える鉄』の意。

アングリスト
Anglist
短剣
ベレン John Ronald Reuel Tolkien創作
『シルマリルの指輪』
エダインの英雄ベレンが用いた短剣で、地上のあらゆる鉱物をたやすく切り裂くほどの名剣。ナルシルをも作ったドワーフの刀鍛冶テルハールにより鍛えられたもので、元々はクルフィンに贈られた品であったが、ベレンがクルフィンから恋人ルシアンを取り返し脱出する際にこれを取り上げた。その後、モルゴスの王冠からシルマリルを取り出す際に用いられたが、同時に折れてしまう。アングリストとは『鉄を切り裂くもの』の意。

アンサラー
Answerer
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ魔剣、フラガラッハの英訳名。アンサラーとは『応えるもの』の意。同様の英訳名としてリタリエイターがある。

アンドゥリル
Anduril
エレンディル
アラゴルン
John Ronald Reuel Tolkien創作
『指輪物語』
ドゥナダンの野伏であり王であるアラゴルンの剣。ガラドリエルから鞘を与えられ、例え戦いに敗れようとも決して折れたり汚されたりすることはないと予言された。その刀身には弦月と放射状の太陽との間に七つの星を並べた図様が刻まれ、その周りにはたくさんのルーン文字が描かれており、鞘には金銀細工と宝石で飾られたエルフ文字で名と由緒が記されている。
元はドワーフの刀鍛冶であるテルハールが鍛えたナルシルと言う剣で、エレンディルの持ち物であったが、サウロンとの戦いで二つに折れてしまった。エレンディルの世襲であるアラゴルンがこれを鍛えなおし、アンドゥリルと新たに命名した。アンドゥリルとはシンダリン語で『輝き』の意。

イェクルスナウト
アトリ・アースムンダルソン アイスランドサガ『グレティルのサガ』
主人公グレティルが兄であるアトリに贈った名剣。アトリは剣を振るって敵を撃退したが、トルビエルンの不意打ちに破れた。

イスケンデル・ベイの剣
Iskender Bey
イスケンデル・ベイ(ゲオルゴース・カストリオト) 史実
アルバニアの英雄イスケンデル・ベイの持つ剣。資質ある者が使えば凄まじい切れ味を発揮するが、そうでない者が持つと途端になまくらになってしまうといわれる。彼は自分の剣を作らせる際に自分に相性の良い剣を作るため、材料集めから完成までの全工程に立ち会ったという。

虎杖丸
Kutune shirka
ポイヤウンペ アイヌユーカラ『虎杖丸の曲』
いたどりまる。クトゥネシリカの日本語訳名。

ヴァサマキル
アングマールの魔王(エル・ムーラゾール) ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
アングマールの魔王(MERPではエル・ムーラゾールという名が与えられており、これはヌメノールのアドゥナイク語で『黒き王子』の意)の持つ長剣で、第一紀にサンゴロドリムの地(アングバンド)にてサウロンにより鍛えられたもの。ヴァサマキルとはクゥエンヤ語で『武具喰らい』の意。

ヴォーパルソード
Vorpal
--- Charles Lutwidge Dodgson(Lewis Carroll)創作
『鏡の国のアリス』
『鏡の国のアリス』中の詞、『ジャバウォッキー(Jabberwocky)』で、主人公の少年が魔獣ジャバウォックを討ち取ったとされる剣。
造語好きのルイス・キャロルらしく、「vorpal」という単語も造語であるため訳者によりさまざまな解釈がされているが、大抵は「鋭い」というような意味合いで捉えられているようである。

エアの剣/銛
Ea
剣、短剣
エア アナトリア(ヒッタイト)神話『ウルリクルミの歌(ハッティの粘土板)』
世界のはじめに天と地を切り離したと言われる青銅の剣、または銛。知識の神であり、水神であるエアの持ち物で、天空を脅かした石の巨人、ウルリクルミ(クマルビの息子)の脚を唯一切り裂くことが出来たもの。アヌとクマルビが争った時にも登場した。

エクスカリバー
Excalibur
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
仮。

エクス・カルス・リベレア
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
エクスカリバーの名の由来の一説。エクス・カルス・リベレアとはラテン語で『石より解き放つ為に』の意。

エスカリボー
Escalibor
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
エクスカリバーの原型であり名の由来。

エッケザックス
ディートリッヒ ドイツ伝説群『ディートリッヒ伝説』
ディートリッヒが巨人エッケを倒して奪った剣。こびとが鍛えたもので、その威力はナーゲルリングをも凌ぎ、歴戦を刃こぼれもせずにくぐり抜けた。

エッテタンゲ
インゲムンド アイスランドサガ『みずうみ谷家のサガ』
みずうみ谷の首領インゲムンドがノルウェーの商人ラブンから手に入れた宝剣。

エペタム
--- アイヌユーカリ(民話)
北海道の上川のアイヌの酋長の家に伝わっていた人食い刀。ひとりでに飛んで敵を斬り、刀のたてるカタカタという音を聞いただけで敵が逃げてしまうような刀だった。エペタムはガマで織ったむしろに包まれ、決して開けないように言い伝えられていたが、エペタムの止め方を知っている老人達は既に皆亡くなっていた。ある時、ガマの包みの中から光が差し、夜になるとエペタムがカタカタと音をたてて飛び出して部落の人を斬り殺すようになった。エペタムは、山に捨てても地面に埋めても帰って来た。通りかかった旅人が「エペタムに石を食べさせておけ」というので、エペタムと石を鉄の箱に入れておくと一時はおさまったが、一月ほど経つとエペタムはまた部落の人を斬り殺すようになった。ある夜、神様が現れて「ホトイパウシの下にあるアサムトオという底なし沼のそばの巨岩に祭壇をつくって祈れ」と言った。人々が神様の言う通りにすると、巨岩が炎を吹き上げて二つに割け、そこから山の神の使いのエゾイタチが現れた。エゾイタチが口にくわえていたクルミを落とすと沼は波立ったが、エペタムを投げ入れて祈ると沼は静かになり、以後エペタムが現れることはなくなった。
この沼のそばには、エペタムシュマ(人食い刀の岩)という刀の形をした岩が現存している。

エリヴァギル
Erivagil
ラダガスト ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
イスタリの一人であるラダガストの所持する、木でできた魔法の剣。言葉を用いる生き物には多大な威力を発揮するが、そうでない生き物を傷つけることはない。エリヴァギルとはシンダリン語で『秀でた剣』の意。

オーギュストの剣
Augustet
フィリップ二世(フィリップ・オーギュスト) 史実
イギリス王であるリチャード一世が、フランス王であるフィリップ二世に贈った剣。
英国王リチャード一世と仏王フィリップ二世は青年時代を戦場で共に過ごした。彼等は、どちらかが苦難に陥った時は友のために尽力するという誓いを立て、その際リチャードは友情の印として莫大な戦費と数多くの財宝をフィリップに捧げた。リチャードが愛用していた剣も例外ではなく、フィリップに譲り渡された。

オートクレール
Hauteclaire/Halteclere
オリヴィエ フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュ大帝に仕える12騎士「パラディン」の一人、オリヴィエ卿の持つ名剣。握り柄は黄金、柄頭に水晶の飾り玉がついており、すさまじい威力を誇る。刃は茶褐色に施した鋼である。戦場では常に彼と共にあり、多くの敵をこの剣によって打ち倒した。オリヴィエはこの剣でローランに劣らぬ活躍を見せたといわれる。オートクレールとは『高く清らか』の意。

オリーウスの剣
--- アイスランドサガ『勇士殺しのアースムンドのサガ』
「勇士殺しのアースムンドのサガ」に登場する二振りの名剣のうちの一振り。ブズリの一族に対する呪いが掛かっており、一族の王によって封印された。後にアリーウスの剣と交わり、それを叩き折る。

オルクリスト
Orcrist
トーリン・オーケンシールド John Ronald Reuel Tolkien創作
ドワーフの王であるトーリンの剣。グラムドリングと共にトロルの岩屋で発見された。周囲にゴブリン(オーク)がいると冷たく青く輝く。ゴンドリンでグラムドリングと共に鍛えられたもので、対になっている。トーリン二世が闇の森のエルフに捕らわれた時スランドゥイルに取り上げられたが、トーリンが五軍の合戦で死んだときにスランドゥイルから彼に返され、共に葬られた。オルクリストとは『ゴブリン退治(オークを切り裂くもの)』の意。霧ふり山脈のオークには「かみつき丸」と呼ばれていた。

オルナ
Orna
テトラ
オグマ
ケルト神話物語群『マグ・トゥレドの戦い』
フォウォレの王、テトラの持つ剣。彼の居場所は海とされ、そのため海は彼の平原、そして魚は彼の家畜と形容されることもある。
『マグ・トゥレドの戦い』において、オグマは戦場にてテトラの剣であるオルナを見つけた。オグマが鞘からオルナを抜いて清めると、オルナは自身がそれまでに成し遂げてきた業績を語った。

オンドマキル
オロメ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
ゴンドリンの王、トゥアゴンの持つ剣。オンドマキルとは『岩の剣』の意。

カールスナウト
Karlsnaut
グレティル・アースムンダルソン アイスランドサガ『グレティルのサガ』
主人公グレティルの持つ名剣。グレティルがグラームという幽霊を退治する際に使われた。彼が死んだ時もこの剣を握りしめて離さなかったという。 ルーンの呪いでグレティルが倒され、剣はトルビエルンのものになったが、この剣のせいでグレティルの兄トルステインに見つかり切り捨てられた。
特別な力などは持っていなかったようで、グレティルの首をはねたとき、彼の首のあまりの堅さに中央が刃こぼれしたという話もある。
作中には母から剣をもらう話と、塚をあばいて短剣を手に入れる話があるが、それらの剣と同じものなのかどうかは不明。

カウディモルダクス
ジャイルズ
ベロマリウス
John Ronald Reuel Tolkien創作
『農夫ジャイルズの冒険』
農夫であるジャイルズが主人の農場を荒らしていた巨人をらっぱ銃で偶然追い払ってしまい、ジャイルズは村の英雄となった。ジャイルズは褒章として、王様から王宮の武器庫に眠っていた長剣を賜った。王様は地方の農民にくれてやるのにちょうどいい剣だと思っていたが、実はこの剣はカウディモルダクスと呼ばれる名剣であった。この剣はかつて偉大な竜退治の名人、ベロマリウスが所持していた剣であり、竜たちに非常に恐れられていた。竜が近くにいると、勝手に鞘から飛び出してしまい鞘に収めることができない。後にジャイルズは、この剣を用いて黄金竜を倒すことになる。カウディモルダクスとは『竜の尾を噛むもの』の意。噛尾刀はカウディモルダクスの日本語訳名。

かみつき丸
Biter
トーリン・オーケンシールド John Ronald Reuel Tolkien創作
オルクリストのことを霧ふり山脈のオークが呼んだ名。

ガラティン
Gallatin
ガウェイン ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
アーサー王に従う円卓の騎士の一人、ガウェインの持つ魔剣。エクスカリバーを鍛えた妖精が鍛えた業物らしい。その魔力は定かでないが、その切れ味は凄まじく、決して刃こぼれをすることがなかったという。むしろ、その所有者のガウェインにこそケルト的な魔力があった。彼は太陽の昇りと共に力を増し、日没に向けて徐々に衰えるという。そのため、正午においてはあのランスロットよりも強かったといわれる。

カラドボルグ
kaladbolg
フェルグス=マクローイ アルスター伝説群叙事詩
『クーリーの牛争い』
フェルグス=マクローイの持つ魔剣。ティル・ナ・ノグ(神の国)の妖精によって鍛えられた。この魔剣が振るわれることはなく、この魔剣がいかなる威力を発揮するのか記述はない。「マビノギオン」でアーサー王の持つ剣がカレドヴルフだが、これはアイルランド語のカラドボルグと同じ語である。カラドボルグとは『硬き稲妻』もしくは『煌く剣』の意。
フェルグスの父ローイはアルスターの王であったが兄弟によって殺され、フェルグスはアルスターを追放されてしまった。そしてアルスターと敵対する女王メイヴの支配する王国コノートに仕えることになる。クーリーの牛争いでは反アルスターの司令官として出陣した。しかし彼は故郷アルスターの騎士達や、幼少からの知り合いであるク・ホリンと戦いたくはなかったので、彼はク・ホリンが戦っている戦場にカラドボルグを持たずに赴き、潔く殺されようとした。しかしク・ホリンも丸腰の相手を倒すような人間ではなく、彼を立てて引き下がる。フェルグスはその日は勝利を宣言して自陣に帰ったが、翌日からは戦場に出ないことを決意する。以降、ク・ホリンを倒せる戦士がいないため戦闘は膠着状態となり、痺れを切らしたメイヴはフェルグスを臆病者と罵った。こうなると誇りを重んじる騎士は戦いに赴かざるを得ず、彼は部隊を率いて戦場に向かったが、彼はク・ホリンの姿を見るとその場から逃げてしまい、さらにク・ホリンを攻撃しようとした魔法使いを妨害してしまう。このためフェルグスは部下を見殺しにした卑怯者という汚名を被ってしまう。

カリバーン
Caliburn/Carry Burn
アーサー ウェールズ伝承『ブリテン王列伝』
エクスカリバーの原型であり名の由来。『輝きを運ぶもの』の意。

カリブルヌス
Caliburnus
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
エクスカリバーの原型であり名の由来。

カルンウェナン
Carnwenhan
短剣
アーサー ウェールズ伝承『マビノギオン』
アーサー王が使っていた短剣。カルンウェナンとは『小さな白い柄手』の意。

カレドヴルフ
Caledvwlch/Kaledfwlch
アーサー ウェールズ伝承『マビノギオン』
アーサー王の持つ名剣。カレドヴルフとは『硬き切っ先』の意。「アーサー王伝説」ではエクスカリバーにあたる。

キャルタンの剣
--- アイスランドサガ『ラックサー谷の人びとのサガ』
「ラックサー谷の人びとのサガ」に登場する名剣。飾り豊かで、身に帯びている者は戦いにおいて傷を負わないという。しかし、鞘が無いと剣の加護を受けることができない。

グアサング
Gurthang
トゥーリン・トゥラムバール
ベレグ・クーサリオン
John Ronald Reuel Tolkien創作
隕鉄で出来た剣で、アングラヘルをナルゴスロンドで鍛え直したもの。ブレシルの黒い棘とも呼ばれる。鍛冶のエオルがナン・エルモスに住まう許しを得るためシンゴルにアングラヘルを贈ったが、これが後にベレグ・クーサリオンに与えられ、トゥーリン・トゥラムバールの手に渡り鍛え直された後、グアサングと名付けられた。トゥーリンが、竜たちの祖であるグラウルングを殺したときに用いた剣でもある。
グアサングとは『死の斬鉄』の意で、彼はこの剣を所持していたことからモルメギル(黒の剣)とも呼ばれた。トゥーリンは誤ってこの剣で友人であるベレグを殺してしまい、悲観したトゥーリンはこの剣に身を投げだし、自らの命を絶った。グアサングはその時に砕け、マブルングらによってトゥーリンの亡骸の傍らに埋められた。

クゥエタマキル
エオンウェ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
マイアのなかで最も強力とされる一柱、エオンウェの持つ剣。言霊の刃であり、自在にルーンを操ることができる。

グースヴィネ
Guthwine
エオメル John Ronald Reuel Tolkien創作
『指輪物語』
ローハンのマークの第三軍団軍団長エオメルの持つ名剣。グースヴィネとは『戦いの友』の意。

クールタン
オジエ ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
コルタナの別称。

クトゥネシリカ
Kutune shirka
ポイヤウンペ アイヌユーカラ『虎杖丸の曲』
主人公である少年、ポイヤウンペの持つ守り刀。各所に装飾が施されており、鞘に狼神、鞘に雷神の雌神と夏狐の化神、鍔に雷神の雄神が彫り込まれている。それぞれの装飾には対応する憑き神がおり、危機の際に立ち現れポイヤウンペを救う。
物語は黄金のラッコをはじめ、シャモ(アザラシに例えられた日本本土の人)などとの戦いが八度に渡り描かれるが、シヌタプカにてポイヤウンペが襲撃を受けた際(三度目の戦い)、初めて憑き神が現れる。その後、ウカムペシカの戦い(四度目の戦い)においても再度憑き神が現れ、危機を救っている。日本語訳名が虎杖丸

グラーシーザ
ギースリ・スールスソン アイスランドサガ『ギースリ・スールスソンのサガ』
ベルセルクのビョルンという男に夫アリを殺されたインギビョルグという女性が、奴隷のコルルに命じて、夫の弟ギースリに使わせる魔剣。
ギースリはその剣で兄の仇ビョルンを殺し、インギビョルグを妻とするが、敵討ちの終わった後もコルルに剣を返さなかったのでコルルと喧嘩となり、剣でコルルを殴り殺したが折れてしまった。
折れた剣はギースリの弟のソルビョルンが受け継ぎ、さらにその息子たちによって槍に打ち直されるが、この槍はソルビョルンの息子たちの親友を互いに殺す凶器となってしまう。

クラウ・ソラス
Claimh Solais
ヌァダ ケルト神話
銀の腕のヌァザが持つ魔剣。炎と光を放って輝く宝剣で、魔の四都のひとつ、フィンジアスが奉戴しウスキアスが守護していた剣であり、ダーナ神族の至高の四宝のひとつでもある。その刀身には呪文が刻み込まれ、一度鞘から抜き払われれば敵はその一撃から逃れ得ないとされ、魔族フォモールとの死闘・モイトゥラの戦いでは敵軍の大将である剛力王インジッヒの首を、一閃で打ち飛ばしたという。クラウ・ソラスとは『光の剣』の意。
アンサラーの別称という説も。

グラム
Gram/Gramr
シグムント・ヴォルスング
シグルド・ヴォルスング
アイスランドサガ『ヴォルスング・サガ』
主神オーディンからシグムントに与えられたとされる2メートル程度の長剣。グラムとは『怒れる』の意。「ニーベルンゲンの歌」の中ではバルムンク、「ニーベルングの指輪」の中ではノートゥングとして語られていた。
ジグムントの父の一族がある部族と戦っていたときに、片目黒帽子の男が現れ、『子供の木』にその剣を突き立て、「抜いた者が剣の所持者だ」と皆に試させたところ、ジグムントだけがそれを抜いたとされている。この剣はヴォルスング一族に勝利をもたらすものの、とある理由によりオーディンの怒りを買ったシグムントは、グングニルによってグラムを粉々に砕かれてしまう。
やがてシグムントの息子であるシグルドが育ての親であるレギンの依頼で、竜に変化してしまったレギンの弟ファーヴニルと戦う際に剣を求めたが、レギンが何度鍛えてもシグルドが試しに金床へ打ち付けると折れてしまった。そこで、母が受け取っていたグラムの欠片から剣を鍛えてみたところ、彼の力に耐え、金床をも切り裂く剣ができた。この新たなグラムは、やすやすとファーヴニルの皮膚を斬り裂いた。こうして、シグルドはファーヴニルを討ち取ることが出来た。

グラムドリング
Glamdring
ガンダルフ John Ronald Reuel Tolkien創作
灰色のガンダルフの持つ、象牙の鞘に入った白と黄金の剣。ゴンドリンでオルクリストと共に作られたもので、対になっている。(エルロンドによると)元来はゴンドリンの王、トゥアゴンが身に付けていたものだが、ゴンドリンの没落によって失われ、それが流れてトロルが死蔵する事になった。はなれ山へ旅をする途中でビルボ、ガンダルフ達一行がトロルの岩屋を調べて発見した。周囲にゴブリン(オーク)がいると冷たく青く輝く。グラムドリングとは『敵砕き』の意。霧ふり山脈のオークには「なぐり丸」と呼ばれていた。

グリンヒャルティ
フロールヴ 北欧神話歌謡集『エッダ』
伝説上の王フロールヴの持つ剣。グリンヒャルティとは『黄金の鍔』の意。

クルト
カルル ドイツサガ『カルル大王のサガ』
イヴィンの息子マラキンがカルルの城を訪れ、十四年間も監獄にいる兄弟アブラハムを釈放して欲しいと頼み、イギリスの鍛冶屋ガラントが鍛えたという三本の剣を持参した。カルルは釈放と引き換えにその剣を手に入れた。このうち一本目の剣は山積みの鋼に斬り付けると僅かに刃こぼれしてしまったが、カルルはこれをクルトと名付け、本当にいい剣だと評した。二本目はアルマツィア、三本目はデュルムダリ。クルトとは『短い』の意。フランス語で同じ意味を持つコルタナ(クールタン)は「シャルルマーニュ伝説」のオジエの剣。

クロケア・モルス
Crocea mors
ジュリアス・シーザー ローマ史実
ジュリアス・シーザーの持つ剣。黄金で作られ、決して壊れることがないという。クロケア・モルスとはラテン語で『黄橙色の死』の意。この剣を用いた攻撃は決して回避できないとされたことから命名された。

グンラウグの剣
--- アイスランドサガ『蛇舌グンラウグのサガ』
「蛇舌グンラウグのサガ」に登場する名剣。刃の切れ味を鈍くする能力を持つ敵、ベルセルクのソーロルムを倒す際に用いられた。

ケンヴェルヒンの三百本の剣
Tychant cledyf Kenuerchyn/
tri chan cleddyf Cenferchyn
キンヴァルフ ウェールズ伝承『マビノギオン』
オウァインの祖父、キンヴァルフの所有する刀剣達。

噛尾刀
ジャイルズ
ベロマリウス
John Ronald Reuel Tolkien創作
『農夫ジャイルズの冒険』
こうびとう。カウディモルダクスの日本語訳名。

コラーダ
エル・シード スペイン叙事詩『エル・シードの歌』
エル・シードがバルセローナ伯との戦いで勝利した際に手に入れた名剣。銀1000マルコ以上の価値があるとされる。のちにカリオーンの公子たちに贈られるが、コルテスの場で返還され、マルティーン・アントリーネスに与えられた。

コルタナ
オジエ ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
デーン人の英雄、オジエの持つ名剣。オジエは若き頃人質としてシャルルマーニュの元で過ごし、数々の武勇を示した。コルタナとは『短い』の意。 クールタンとも呼ばれる。ドイツ語で同じ意味を持つクルトは「カルル大王のサガ」のカルルの剣。

コルブラント
Collbrande/Coal brand
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
エクスカリバーの原型であり名の由来。コルブラントとは『松明』の意。

サクノス
Sacnoth
レオスリック Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron(Lord Dunsany)創作『サクノスを除いては破るあたわぬ堅砦』
アラスリオンという村があり、その村では邪悪な夢が村人たちを悩ませていた。村の呪い師曰く、その夢は邪悪な魔法使いカズナクが放ったもので、呪い師には手の出しようもない事、カズナクは巨大な砦を築き、それはサクノス無くしては破ることができないという事であった。それを聞いた領主の長子レオスリックは呪い師にサクノスについて教わり、竜退治の後サクノスを手に入れて砦を破り、カズナクを討つべく旅立った。

サングラモア
Sanglamore
ブラガドッキオ 英詩『妖精の女王』
ブラガドッキオの所持する剣。仮項目。


Death
ムング Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron(Lord Dunsany)創作『ペガーナの神々』
「ペガーナの神々」に登場するムングという神が振るう剣。鞘は「眠り」といい、この剣で印を示せばいかなる存在にも死を与えるという。
ムングとは、ペガーナ及びこの世との境界に棲むすべての死を司る神であり、人々の肉体から「いのち」を解き放つ仕事をしている。


Death
ロズ
ロー
ロド
Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron(Lord Dunsany)創作『剣と偶像』
石器時代、ロズの手により偶然にも作られた鉄製の剣。ロズはその剣で自分達よりも強い敵の部族を殲滅し支配した。剣は息子のローに譲られ、その恐ろしさからローにより死と名付けられた。ローは続けて部族を支配し、剣は息子のロドに譲られた。ロドもまた部族を支配したが、森の中で人の形に似た木が見つかると、部族はそれを「カミ」として崇め、畏怖し、捧げ物を捧げた。部族の中心は「カミ」となり、ロドの権威は失われた。日蝕が起こった日、ロドは「カミ」に息子を奪われてしまうのではないかと畏れ、祖父の代から部族を支配したその剣を捧げてしまった。

シュチェルビェツ
Szczerbiec
ボレスワフ 史実
ポーランド王国の国王の戴冠式にて、12世紀より18世紀にかけて伝統的に使用されていた剣であり、王冠と対になっている。伝説によればこの剣はポーランドの英雄ボレスワフ(1025年没)が1018年、キエフの黄金の門に赴いた際に用いたもので、この剣の名の由来でもある剣の刻み目は門を打ち付けたことによるものだとされている。しかしこの門が建造されたのは1037年であり、彼の没年とも矛盾するため、実際には12世紀、マソヴィアのコンラッド王子のために作られたものであると推測されている。1792年、王冠とともにプロシアに略奪されたが、1796年にロシアに渡り、1928年にこの剣のみが返還された。第二次世界大戦中はフランス、カナダなどに退避されたが、1959年にポーランドに戻り、現在は王宮博物館に展示されている。シュチェルビェツとは『刻みのある(ぎざぎざの)剣』の意。

ジョワイユーズ
Joyeuse/Joiuse
シャルルマーニュ フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュ大帝が、父から王位と共に譲り受けた、いわば王の象徴。ジョワイユーズとは『喜ばしき』の意。柄には聖遺物としてロンギヌスの槍の穂先が入っていた。『我が喜び』という意味のフランス軍の勝鬨「モンジョワ」、加えて軍旗の名の由来となる。

シルマルース
マエズロス ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
7人のフェアノールの息子達のうち、長兄のマエズロスの持つ剣。父であるフェアノールの手によって作られたもの。

ズー・アル=フィカール
Zulfigar
ムハンマド
アリ
イスラム史実
ムハンマドの持つ偃月刀で、後にその従弟であり娘婿であるアリに授けられたもの。アリはこの刀を用いて多くの活躍をし、戦場では「ズー・アル=フィカールに勝る剣なし」などといった叫び声が上がったという。ズー・アル=フィカールとはアラビア語で『脊髄を断つもの』、あるいは『二つに裂かれたもの』の意。「善悪の峻別」、「正邪の分別」などの寓意としても捉えられる。

スクリューミル
ステイナル アイスランドサガ『エギルのサガ』
ステイナルの持つ名剣。ラムビに後ろから切り付けたが、戸口に逃げ込まれたため垂木に食い込んでしまい、殺害には至らなかった。

スクレープ
Skuraeppr
ウッフォ デンマーク史『ゲスタ・ダノールム』
第四章に登場する名剣。発見された時は赤錆びていたが、ウッフォが握った途端に輝き、相手を両断し、刺し貫いた。

スティング
Sting
短剣
ビルボ・バギンズ
フロド・バギンズ
John Ronald Reuel Tolkien創作
『ホビットの冒険』『指輪物語』
つらぬき丸の原語読み。

スニッカーズニー
Snickersnee
不明 イギリス歌劇『ミカド』
日本の秩父をモデルにしたと思しきオペラ、『ミカド』に登場する太刀。
『ミカド』はコミックオペラで、笑いをとるような荒唐無稽を根本としたストーリーである。舞台はティティプー(おそらく秩父)。旅芸人ナンキ・プーがやってくるところから話は始まる。実はナンキ・プーは皇太子なのだが、年増女に言い寄られた挙句に宮中から逃げ出したという設定になっている。彼がヤムヤムという女性に惚れ、手に入れるために四苦八苦するというのが大まかな流れ。当時は異様な人気を誇ったという。スニッカーズニーとはオランダ古語で『丁々発止』の意。

聖ジョージの剣
St.George
聖ジョージ キリスト教伝承『聖ジョージの竜殺し』
アスカロン

ダインスレイフ
Dainsleif
ホグニ 北欧神話歌謡集『エッダ』
仮項目。

ダモクレスの剣
Damocles
デュオニシオス ギリシャ寓話
ダモクレスとはシラクサの王デュオニシオス一世の廷臣。ある時彼がデュオニシオス一世を「この世で最も幸福な人物」と賞賛したところ、デュオニシオス一世は彼を招いて宴を開いた。その宴において、デュオニシオスは彼を王座に座らせた。その真上には一本の糸で結ばれた剣が吊るしてあり、デュオニシオス一世はそれを以って、支配者の幸福がいかに危険で不安定なものであるかを示した。この故事から、幸福、栄華の中に潜む危険を「ダモクレスの剣」と形容するようになった。現在でも英語の諺として用いられている。

つらぬき丸
Sting
短剣
ビルボ・バギンズ
フロド・バギンズ
John Ronald Reuel Tolkien創作
『ホビットの冒険』『指輪物語』
トロルの岩屋の中でオルクリストグラムドリングとともに発見され、ビルボのものとなった短剣。ゴブリン(オーク)が近くにいると刀身が青く光って持ち主に危険を知らせる。つらぬき丸という名は、ビルボがこの剣で大蜘蛛を倒したときにビルボ本人によってつけられたもの。冒険の後、ビルボが持ち帰って袋小路屋敷の暖炉の上に飾っておいたが、ビルボがフロドに袋小路屋敷を譲って旅立った時に一緒に持っていった。そして裂け谷でビルボからフロドに渡される。原語読みでスティングとも。

ティソーン
Tizon
エル・シード スペイン叙事詩『エル・シードの歌』
エル・シードがモロッコの将軍ブカルを倒した際に手に入れた名剣。金1000マルコの価値があるとされる。のちにカリオーンの公子たちに贈られるが、コルテスの場で返還され、ペドロ・ベルムーデスに与えられた。ティソーンとは『燃える剣』の意。

デュランダル
Durandal/Durendal
ローラン フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュ大帝の受けた天啓により、彼に仕える12騎士「パラディン」の筆頭たるローランに与えた聖剣。その黄金柄の中には、聖者ペトロの歯、聖者バジルの血、聖者ドゥニの毛髪、聖母マリアの衣片といった聖遺物が入っており、常に神の加護を得ていたといわれている。
ローランがこの剣を手に入れるまでの経緯には二つの説がある。第一の説は、ローランが直接天使にこの剣を賜ったというもの。第二の説は、この剣は妖精が鍛えたもので、怪力の巨人ユトムンダスが持っていたが、ローランはこの巨人と戦い、剣を手に入れたというもの。どちらの説でも、ローランはシャルルマーニュにこの剣を捧げ、その価値を知ったシャルルマーニュが再びローランに与えている。デュランダルと名付けたのはシャルルマーニュであるとされている。
ローラン死後のデュランダルの行方にも二つの説がある。この剣はすばらしく鍛えられた業物であったため、死を覚悟したローランが石に打ちつけて剣を砕こうとしたときも、刃が弾き返されただけで剣は無傷だった。第一の説では、ローランが敵の手に渡るのを防ぐためにピレネー山脈のどこかに隠したとされている。もう一つの説では、シャルルマーニュがローランと12騎士の弔い合戦の最先鋒の騎士に与えた、とある。
「シャルルマーニュ伝説」ではドゥリンダナとして登場する。

デュルムダリ
カルル ドイツサガ『カルル大王のサガ』
イヴィンの息子マラキンがカルルの城を訪れ、十四年間も監獄にいる兄弟アブラハムを釈放して欲しいと頼み、イギリスの鍛冶屋ガラントが鍛えたという三本の剣を持参した。カルルは釈放と引き換えにその剣を手に入れた。このうち三本目の剣は山積みの鋼を15cm近く斬り飛ばすことができ、カルルはこれをデュルムダリと名付け、自らの元に置く事にした。一本目はクルト、二本目はアルマツィア

ドゥリンダナ
オルランド フランス伝説群『シャルルマーニュ伝説』
「ローランの歌」におけるデュランダル

ドラグヴァンディル
Draguvandill
エギル・スカラグリームスソン アイスランドサガ『エギルのサガ』
スカラグリームの息子であるエギルがアリンビョルンから譲り受けた名剣。この剣はケティル、グリーム、ソーロールヴ、スカラグリーム、アリンビョルンと受け継がれてきた由緒ある品。

ナーゲルリング
ディートリッヒ
ハイメ
ドイツ伝説群『ディートリッヒ伝説』
ディートリヒがこびとのグリムとヒルトの洞窟に押し入って殺し、兜ヒルデグリムとともに手に入れた剣。同じくこびとであるアルベリッヒに鍛えられたもの。ディートリッヒはエッケザックスを手に入れるまでこの剣を使ったが、後にハイメに譲った。

なぐり丸
Beater
ガンダルフ John Ronald Reuel Tolkien創作
グラムドリングのことを霧ふり山脈のオークが呼んだ名。

ナズ
Nazr
エギル・スカラグリームスソン アイスランドサガ『エギルのサガ』
スカラグリームの息子であるエギルがクールランドで手に入れた名剣。エギルはこの剣を持ってして数々の戦いをくぐりぬけた。ナズとは『マムシ』の意。

ナルシル
Narsil
エレンディル
アラゴルン
John Ronald Reuel Tolkien創作
アンドゥリルを打ち直す前の名前。ナルシルとはシンダリン語で『西方の焔』の意。

ネズミ
サンゴブリンド Edward John Moreton Drax Plunkett, 18th Baron(Lord Dunsany)創作『宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命』
宝石屋であり、宝石の盗人であるサンゴブリンドが愛用する、両刃の「扱いやすくすばしっこい」剣。
サンゴブリンドは死者の金剛石を盗み出した後、追ってきた蜘蛛神像フロ・フロに斬りかかり多くの傷を負わせたが、倒すことはかなわず力尽きてしまった。

ノートゥング
Nothung
ジークムント・ヴェルズング
ジークフリート・ヴェルズング
ドイツ歌劇『ニーベルングの指輪』
ジークムント、ジークフリートが持つ剣。ノートゥングとは『苦境』の意。劇中では『神という権威に反抗する人間の愛』という役割を持つ。一度はヴォータンの槍にへし折られるものの、 後に鍛え直されたノートゥングはヴォータンの槍を折り返す。「ニーベルングの指輪」は、ワーグナーにより、「ヴォルスング・サガ」「ニーベルン ゲンの歌」等の叙事詩をもとに制作された歌劇。従ってノートゥングは「ヴォルスング・サガ」でいうグラム、「ニーベルンゲンの歌」でいうバルムンクにあたる。各作品において、人物名なども微妙に異なる。

ハツオイイルハル
短剣
シナリ ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する武器。幅広い刃の付いた石のナイフ。「昼を司る者」という名の、太陽の運行を司る神であるジョホナアエイがシナリ(英雄たちの幼名。ナアアイエ・ネイザニとナイディギシの2名)らに与えた。

バリサルド
オルランドゥ ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
オルランドゥ伯が最初に持っていた剣。

バルムンク
Balmung
ジークフリート・ヴェルズング ドイツ叙事詩『ニーベルンゲンの歌』
ジークフリートが旅の途中で出会った小人の王の仲裁をした際、その礼として貰ったもの。「ニーベルンゲンの歌」と共通の素材をもつ叙事詩として「ヴォルスング・サガ」があり、両者をもとに歌劇「ニーベルングの指輪」がつくられた。従ってバルムンクは「ヴォルスング・サガ」でいうグラム、「ニーベルングの指輪」でいうノートゥングにあたる。各作品において、人物名なども微妙に異なる。

フィティング
レグナルド デンマーク史『ゲスタ・ダノールム』
リュシングと共に、ノルマン王レグナルドの剣。略奪者グンナルが王の娘ドロータを所望したとき、王は既に老齢でこの剣を振るうことが出来なかったため、娘に託し洞窟に隠させる。
王はグンナルとの戦いで命を落とすが、剣は後に生まれるドロータの息子ハルダンの手に渡ることになる。ハルダンはその剣で、同じ母から生まれた兄弟ヒルディゲルを殺すことになる。

フスベルタ
リナルド ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
オルランドゥの従兄弟であり、クレルモン家の長男であるリナルドの持つ名剣。その切れ味は相手の防具を易々と切り裂く程。

フラガラッハ
Fragarach
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ、鋭い切れ味を秘め、輝く刃を持つ十字剣。ルーの養父である海神マナナン・マクリールの贈り物のひとつ。どんな固い鉄、どんな鎧をも貫いた。その刀身を見た者は魅了されたように力を失い、自らその刀身に身をさらして切り倒され、死から免れた者はなかったと伝えられる。ルーの意志に従いその手に滑り込み、投げれば自ずと戻ってくるために、『応えるもの』『報復するもの』すなわちフラガラッハと呼ばれる。クラウ・ソラスと同一であるとする説もある。
アンサラーはフラガラッハの英訳名。同様にリタリエイターとも。

フランベルジュ
Flamberge
ルノー・ド・モントヴァン ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
フランク王シャルルマーニュ大帝配下の騎士、ルノー・ド・モントヴァンが持っていたといわれる名剣。フランベルジュとは『炎の刃』の意。
後にフランスにて一般に普及した、刀身が波打っている特殊な形状の剣もフランベルジュと呼ばれているが、それがこの剣をモチーフにしたものか、あるいは炎を模した刀身の形状から『炎』という単語を直接用いたものかは定かではない。

ブルトガング
Burtgang
ハイメ ドイツ伝説群『ディートリッヒ伝説』
ハイメの持っていた剣。ディートリッヒとの一騎打ちで、彼の兜ヒルデグリムに斬り付けて折れてしまう。

プレシューズ
Precieuse/Preciuse
バリガン フランス叙勲詩『ローランの歌』
アラビア軍バビロニア総督、バリガンの持つ名剣。マルテと共に、彼の愛用の品の一つ。プレシューズとは『貴重なり』の意で、シャルルの持つ名剣ジョワイユーズを模して名づけられた。アラビア軍の勝鬨、「プレシユーズ」の由来となる。

ブレシルの黒い棘
Brethil
トゥーリン・トゥラムバール
ベレグ・クーサリオン
John Ronald Reuel Tolkien創作
グアサングアングラヘルの別称。

フロッティ
ファーヴニル
シグルド・ヴォルスング
アイスランドサガ『ヴォルスング・サガ』
シグルドがファーヴニルを倒した際に黄金の中から見つけ出した剣。シグルドはこの戦いの報償としてファーヴニルの多くの黄金などの財宝と、彼が生前父親から奪い取っていた三つの宝、「エーギルの兜」「黄金の甲冑」「名剣フロッティ」を手に入れたが、同時に「ニーベルンゲンの呪い」と呼ばれる忌まわしい宝も持ち帰ってしまい、恐ろしい運命を背負い込んでしまうこととなる。ファーヴニルは死の間際に、シグルドに呪われた黄金の宝に手を付けるなと忠告していた。

ブロンラヴィン 短剣
オスラ ウェールズ伝承『マビノギオン』
「大ナイフの」オスラが持つ幅広の短剣。橋にして川を渡ることができるが、鞘をしっかり閉めずにこれを使ってしまい、川底に沈んでしまった。

ベエシュ・ドオルガシイ
短剣
シナリ ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する武器。硬い刃の付いた石のナイフ。「昼を司る者」という名の、太陽の運行を司る神であるジョホナアエイがシナリ(英雄たちの幼名。ナアアイエ・ネイザニとナイディギシの2名)らに与えた。

ベガルタ
Beag-alltach
ダーマット・オディナ ケルト神話
フィアナ騎士団の英雄、ダーマットの持つ2本の剣の一方。ベガルタとは『小怒』の意。もう一方の剣の名はモラルタで、こちらは『大怒』の意。

ベリサルダ
ロジェロ ドイツ『シャルルマーニュ伝説』
ヘクトルの血を引く王子、ロジェロの持つ名剣。魔法のかかった品を切り裂くことができる。

ヘルグリム
Herugrim
セオデン John Ronald Reuel Tolkien創作
『指輪物語』
ローハンの王セオデンの持つ、国に古くより伝わる名刀。その鞘は、緑の宝石に飾られ、黄金の留め金を巻いた鞘に収められている。ヘルグリムとは古英語で『残酷、獰猛』の意。

マッネモショミ
--- アイヌユーカラ『美幌の宝刀』
北見の美幌のコタン(村)にはマッネモショミという宝刀が守り伝えられていた。
その頃、網走近郊のタンネシラリには魔神が住んでおり、数々の悪行を働いていたものの、その魔力のため誰も退治することが出来ず、タンネシラリのコタンの民は非常に困っていた。そのため、美幌の宝刀のことを思い付いた若者が美幌のコタンに行き、訳を話して刀を借り受け、魔神の退治に向かった。
しかし魔神は断崖の上に陣取り、隣の岩から橋をかけようとしても折られてしまい辿り着けなかったため、思い余って刀を魔神に投げつけたところ、刀は妖しい光の尾をひきながら飛んで魔神に食らいつき、たちまちバリバリと食い殺してしまった。その後、コタンの民は断崖の上の刀を取りに行くことが出来ず、放置された刀はついに蛇に転じてしまったという。
結局、美幌のコタンは刀の貸し損になってしまった。

ミームング
ヴィテゲ
ハイメ
シドレク
ドイツ伝説群『ディートリッヒ伝説』
サガ『シドクレス・サガ』
仮項目。

ミストルテイン
Mistileteinn
フロームンド アイスランドサガ『フロームンド・グリプスソンのサガ』
英雄フロームンドの剣で、スラーインという王の墓から手に入れたもの。フロームンドはこの剣で、ハッディンギャルの勇士に生まれ変わったヘルギを刺す。同名のミストルテインとの関係は不明。

ミュルグレス
Murgleis/ Murgles/Murgleys
ガヌロン フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュに仕える武将であり、ローランの義父であるガヌロン伯の持つ名剣。黄金製の柄には聖遺物匣が仕込まれている。

ムンドヴィネ
Mundwine
アスガヴィア ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
第三紀17世紀頃のゴンドールのキリス・ウンゴルの駐留武将の一人であるアスガヴィアの持つ剣。ドワーフの合金で作られており、さらに魔力がこめられた広刃の剣である。アスガヴィアの先祖はエルダカール王に仕えていたローハン人であり、その頃から代々伝わってきた品であるとされるが、さらに遡ると元はドラゴンの巣にあったものであるという。ムンドウィネとはローハン語で『防衛者の友』の意。

モール・アルタッハ
Moralltach
ダーマット・オディナ ケルト神話
モラルタ

モラルタ
Moralltach
ダーマット・オディナ ケルト神話
フィアナ騎士団の英雄、ダーマットの持つ2本の剣の一方。養父であるアンガスより譲り受けたもの。一撃で人間を両断する威力があり、一太刀で全てを倒すという。モラルタとは『大怒』の意。もう一方の剣の名はベガルタで、こちらは『小怒』の意。

モルグルの刃
Morgul
短剣
ナズグル John Ronald Reuel Tolkien創作
『指輪物語』
黒の乗手が風見が丘でフロドを刺した短剣。フロドの中にその破片が入り込み、心臓へと進み続け、フロドを幽鬼の世界に引き込もうとしていた。しかしエルロンドによって取り除かれ、フロドは癒された。短剣自体はアラゴルンが見付けたが、柄だけを残して刃は煙のように空中に消え去った。グロールフィンデルによると、その柄には悪しきことが書かれているという。モルグルとは『黒き呪い』の意。

ラハト・ケレブ
Lahat chereb
ケルビム 『創世記』
創世記には「神は人を追い出し、エデンの園の東に、ケルビムと回る炎のつるぎとを置いて、命の木の道を守らせられた」という一節がある。この「炎の剣」に当たるものが、ヘブライ語の原典ではラハト・ケレブとなっている。ラハト・ケレブとは『魔法の剣』の意。しばしばセラフィムの持つフラベルムと混同される。

ラング
ソーロールヴ アイスランドサガ『エギルのサガ』
ソーロールヴがヴィーンヘイズの会戦にて用いた名剣。

リタリエイター
Retaliator
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ魔剣、フラガラッハの英訳名。リタリエイターとは『報復するもの』の意。同様の英訳名としてアンサラーがあり、一般にはこちらの方が有名。

リディル
レギン 北欧神話歌謡集『エッダ(ファーヴニルの歌)』
シグルドの育ての親であるレギンの剣。シグルドが倒した巨竜ファーヴニルの屍体から、レギンが心臓を取り出すのに使った。ファーヴニルの血を口にしたシグルドは鳥の囀りが理解できるようになり、「きらめく命の肉」と呼ばれるファーヴニルの心臓を焼いて食べたために、人間のうちでは並ぶもののないほどの智恵を手に入れた。「ヴォルスング・サガ」ではリディルの名は登場しない。

リュシング
レグナルド デンマーク史『ゲスタ・ダノールム』
フィティングと共に、ノルマン王レグナルドの剣。詳細はフィティングの項を参照。

リンギル
Ringil
フィンゴルフィン John Ronald Reuel Tolkien創作
ノルドール・エルフの王であるフィンゴルフィンの剣。モルゴスに一騎打ちを挑んだ際に用いられたもので、これによりモルゴスに8度斬り付け、7つの傷を負わせたものの、一騎打ちには敗北してしまった。モルゴスはこの時負った傷のため、以後足を引きずって歩くこととなる。リンギルとは『冷たい星』の意。

リンドンの剣
Rhindon
ピーター Clive Staples Lewis 創作
『ナルニア国ものがたり』
白の魔女のかけていた冬の魔法を綻ばせることによりやってきたサンタクロースが、四人兄妹の長男であるピーターに贈った剣。その鞘は金で出来ていた。またピーターは同時に、銀色で、大きな赤いライオンの紋章が描かれた盾も受け取った。
このとき、長女のスーザンは、決して的を外すことのない弓と、吹けば必ずや何らかの不思議な助けが来る象牙の角笛を、次女のルーシィは、いく滴か飲めばあらゆる傷や病を完治させる薬酒の入ったダイヤモンドの小びんと、身を守るための短剣を受け取った。これらの道具の数々は、後の冒険の大きな助けとなった。

レーヴァテイン
Revateinn

スルト 北欧神話歌謡集『スヴィプダーグのバラード(古エッダ)』
炎の国ムスペルヘイムを統べる巨人スルトの持つ杖。ロプト(ロキの異名)がニヴルヘイムの門の前で作ったもの。
スヴィプダーグは、巨人族の娘メングラッドを探し出して妻にしなければならないという呪いをかけられていたため、世界中をさまよっていた。彼はヨツンヘイムの砦リュルに辿り着いたが、そこで門番である、フィヨルスヴィドとの問答となる。砦に入るには、番犬の気をそらす肉が必要である。その肉はユグドラシルの上に住む黄金の雄鶏ヴィドフニルでなくてはならない。ヴィドフニルを倒せるのは、スルトの持つレーヴァテインだけである。レーヴァテインは、スルトの妻シンモラが九つの錠をかけた鉄の宝箱に入れて守っている。シンモラからレーヴァテインを譲ってもらうには、ヴィドフニルの黄金の尾羽を贈るしかない。
レーヴァテインとは『傷つける魔の杖(枝、串)』の意であるが、『〜の枝』という形はケニング(比喩)で剣を表すこともあり、レーヴァテインが剣である可能性もある。ただし、スルトの持つ世界を焼き尽くした炎の剣と同一のものであるという言及は無い。
北欧神話には他にもガンバンテインミストルテインなど、語尾にテインとつく武器が数多く存在するが、それらはいずれも杖の形を取っている。

レー・ロイの剣
レー・ロイ(黎利) ベトナム民話
レー・ロイはベトナムの民話に出てくる英雄で、歴史上の実在人物。
ある時、湖で神剣を手に入れ、これを天帝からの授かりものとして戦った。この剣を抜き放てば敵は戦意を失い、倒れ、逃げ去ってしまうという。彼は知恵者のグエン・チャイと多くの仲間と共に明軍を退け、ベトナムの独立を勝ち取る。

ワスケン
Waske
イーリンク ドイツ叙事詩『ニーベルンゲンの歌』
デンマルク王ハーワルトの臣下で、デンマルクの辺境伯であるイーリンクが持つ名剣。ブルゴント勢に戦いを挑み、ハゲネに傷を負わせたが、イーリンクは憤激したハゲネに討ち取られる。その後ハーワルトが臣下とともに出撃したが、ブルゴント勢に全滅させられてしまった。


槍、矛、銛

アイグロス
Aeglos
エレイニオン・ギル=ガラド John Ronald Reuel Tolkien創作
上のエルフであるエレイニオン・ギル=ガラドが、エレンディルと共にサウロンと戦った時に持っていた槍。アイグロスとはシンダリン語で『つらら、雪の切先』の意。

アキレウスの武具
Achilleus
武具一式
アキレウス ギリシャ神話
ギリシャの英雄、アキレウスの持つ武具。鍛冶の神ヘパイストスによって作られたもの。
胸当て、兜、脛当て、楯、剣、槍から構成されており、その中でも特に槍は巨大で重く、普通の人物には扱えないほどのものであった。その槍でつけた傷は通常の方法では治らず、その槍の穂先を削った粉末を傷口にふりかけることによってのみ治す事ができたという。
この武具の特徴は、本人以外の英雄達の間を渡り歩いた事である。最初はアキレウスの親友、パトロクロスに貸し与えられるが、彼はトロイアの英雄ヘクトールに殺され、武具を奪われてしまう。アキレウスはヘクトールを打ち負かし武具を奪い返すが、トロイアの英雄を余りにも殺し過ぎたためにアポロの怒りに触れ、殺されてしまう。彼の死後、武具はギリシャで最も優れた英雄に与えられる事となり、その候補であるアイアスとオデュッセウスのうち、投票により僅差でオデュッセウスに与えられた。その後、オデュッセウスはそれをアキレウスの息子ネオプトレモスに与えた。その武具は息子である彼にぴったりと合ったという。

イシューリエルの槍
Ithuriel
イシューリエル John Milton『失楽園』
ガブリエルは、エデンで野放しの状態になっているサタンが、一切の罪を犯していないアダムとイヴにとって危険な存在であることを知り、天使にサタンを探しに行かせた。イシューリエルとゼポンがサタンを見つけたとき、サタンは眠っているイヴの耳元でひきがえるの姿を借りて誘惑の言葉をささやきかけており、その所為でイヴは忌まわしい夢を見ることとなった。イシューリエルが自らの槍でサタンに触れると、サタンは本来の姿に戻ってしまった。あまりにも醜い本来の姿を認めることができずにサタンはその場を去ったが、サタンがささやきかけた言葉はイヴの心に悪の種を植え付けてしまった。

ヴォータンの槍
Wotan
ヴォータン ドイツ歌劇『ニーベルングの指輪』
主神ヴォータンの槍で、ノートゥングをへし折った時に使ったもの。ヴォータンとはオーディンの別称であり、そのためこの槍のモデルはグングニルであると思われる。劇中では『契約の威厳の象徴』という役割を持つ。

エアの剣/銛
Ea
剣、短剣
エア アナトリア(ヒッタイト)神話『ウルリクルミの歌(ハッティの粘土板)』
世界のはじめに天と地を切り離したと言われる青銅の剣、または銛。知識の神であり、水神であるエアの持ち物で、天空を脅かした石の巨人、ウルリクルミ(クマルビの息子)の脚を唯一切り裂くことが出来たもの。アヌとクマルビが争った時にも登場した。

ガエボルグ
Gae bolga
槍、銛
ク・ホリン アルスター伝説群叙事詩
『クーリーの牛争い』
ケルトの英雄、ク・ホリン(クーフーリン)が操っていた槍。ゲイボルグとも呼ばれる。
ク・ホリン(クは猛犬の意。古代アイルランドでは勇気の象徴)は、人間の母と神の父を持つハーフである。彼の父は光と戦いの神ルーであった。ク・ホリンは背が高く怪力の持ち主で、勇敢で豪傑であり、戦いのときに激情すると恐ろしい形相になり身体が膨れ上がるという狂戦士であったが、慈悲深く優しい男でもあり、人間味のある存在でもあった。彼の父である光の神ルーはブリューナクという槍を持っていた。その光の力を授かったク・ホリンも、父の影響あってか、武器に槍を選んだ。
ガエボルグは魔女スカザーハにより作られたものである。ク・ホリンがスカザーハから魔術と武道を学んだ際に、皆伝の証としてそれを授かった。通常の柄ではク・ホリンの怪力に耐えられず壊れてしまうため、柄は巨大な海の獣の骨から作られていた。とてつもなく大きく重いため、怪力のク・ホリンでなければ使いこなせなかった。その切っ先は鋭く、また刃には鋸のような切れ込みが入っていた。このためこの槍に突かれた相手はより深い傷を負うが、槍自体はそれほど深く突き刺さらず、すぐに引き抜けるのである。さらにこの槍は敵に向かって投げつけると、穂先が切れ込みの部分から30もの小さな矢になって飛び散り、敵を討つという魔力を持っていたという。水中でのみ用いられる。

ガ・ジャルグ
Gae Dearg
ダーマット・オディナ ケルト神話
フィアナ騎士団の英雄、ダーマットの持つ2本の大小の槍の大きな一方。ガ・ジャルグとは『赤槍』の意。養父であるアンガスから貰い受けたもので、どのような魔法をも打ち破る。ダーマットは、この槍で、火に燃えず、水に溺れず、武器に傷つかない犬や、ドルイドの魔法を使う魔女などを倒した。 もう一方の小さな槍の名はガ・ボーで、こちらは『黄槍』の意。

ガ・ボー
Gae Buidhe
ダーマット・オディナ ケルト神話
フィアナ騎士団の英雄、ダーマットの持つ2本の大小の槍の小さな一方。ガ・ボーとは『黄槍』の意。マナナーン・マック・リールから貰い受けたもので、この槍によってつけられた傷は癒えることがない。もう一方の大きな槍の名はガ・ジャルグで、こちらは『赤槍』の意。

グラーシーザ
ギースリ・スールスソン アイスランドサガ『ギースリ・スールスソンのサガ』
ベルセルクのビョルンという男に夫アリを殺されたインギビョルグという女性が、奴隷のコルルに命じて、夫の弟ギースリに使わせる魔剣。
ギースリはその剣で兄の仇ビョルンを殺し、インギビョルグを妻とするが、敵討ちの終わった後もコルルに剣を返さなかったのでコルルと喧嘩となり、剣でコルルを殴り殺したが折れてしまった。
折れた剣はギースリの弟のソルビョルンが受け継ぎ、さらにその息子たちによって槍に打ち直されるが、この槍はソルビョルンの息子たちの親友を互いに殺す凶器となってしまう。

グランテピエ
チュルパン フランス叙勲詩『ローランの歌』
フランク王シャルルマーニュ大帝に仕える大司教、チュルパンの持つ矛。グランテピエとは『業物の矛』の意。

グングニル
Gungnir
オーディン 北欧神話歌謡集『エッダ』
主神オーディンが持つ神槍で、グングニルとは『貫く』の意。必殺必中の威力を持つ投槍で、その威力はグラムを一撃で粉々にするほど。鋼の穂先のルーン文字の魔力により貫けない鎧はなく、人の素たる「トネリコの木」で柄が造られているため、どんな武器にも破壊されない。敵に向けて投げつけると自在に手元に戻ってくる魔力を持つ。ラグナロクにおいてフェンリルの脇腹を貫いたが、オーディンと共に飲み込まれた。
眠っているシフの髪を切り落としたロキはトールに捕まり、その髪の代わりを探すことを条件に解放される。ロキは黒妖精の国のイーヴァルディの息子たちを説得し、本物同様に頭に生える魔法のかかった黄金製の髪の毛、魔法の船スキッドブラドニール、そしてグングニルを作らせた。その後、ブロックルとエイトリという別の小人たちに宝物を見せ、これ以上のものを作れるならば自分の頭をかけるという賭けを持ちかけた。それに対し、彼らは黄金のイノシシであるグリンブルスティ、純金の腕輪ドラウプニル、魔法の槌ミョルニルを作り出した。神々にそれぞれの宝物の価値を仰いだところ、神々は唯一巨人族に対抗し得るミョルニルに最上の価値を認めたため、ブロックルは賭けの代償にロキの頭を要求したが、ロキは「頭はやると約束したが首を切ってはいけない」と処刑を免れた。

ゲイアサイル
Gae Assail

石弾
ルー ケルト神話
ブリューナク

ゲイボルグ
Gae bolga
ク・ホリン アルスター伝説群叙事詩
『クーリーの牛争い』
ガエボルグの別称。

ズフタフの槍
Duftach
ドゥフタハ
ケルトハル・マク・ウテヒル
ケルト神話物語群『ウシュリウの息子達の流浪』
『クーリーの牛争い』
ルーン

聖槍
Holy Lance
漁夫王 ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
仮。

聖槍
Holy Lance
ロンギヌス 新約聖書 / ドイツ歌劇『パルジファル』
ロンギヌスの槍が、この作品では聖槍として登場する。

トライデント
trident
ポセイドン ギリシャ神話
海神ポセイドン(ネプチューン)の持つ三つ又の鉾。キュクロプスによって鍛えられたとされている。
また、三又鉾の総称でもある。元は魚を捕るための狩猟道具として生まれ、また、干し草などを扱うための農具としても世界各地で使用されてきた。現在でも銛としても農具としても使われている。ただし、農具の方は同じ3本の先端を持っているものの、上向きに反りがあり、正確にはフォークといって別の物である。 
ポセイドンは、ギリシャ神話の海神。独立心が強く、智よりも力と勇気、決断を重視する神で、これは荒々しい海の性質、または海に生きる男達に必要とされる性質を表している。ポセイドンは元は馬の神としても知られているため、漁師と馬飼いに共通する道具として彼の武器にトライデントが選ばれたと推測される。トライデントには、彼の神格のすべての力が込められており、嵐や津波、洪水や風という海の力を操ることが出来た。また、人間の精神に勇気を与える力もあった事が知られている。彼はトロイ戦争においてギリシャに味方したが、一時の敗戦に沈んでいる兵士達の頭にトライデントで触れ、勇気を奮い立たせたことがあったという。

ピグウィギンの槍
ピグウィギン 諷刺詩『ニンフィディア(アジンコートの戦い)』
ニンフィディアは、アーサー王伝説における女王グウィヴィネ、騎士ランスロット、アーサー王の三角関係を、妖精世界におけるマブ女王、騎士ピグウィギン、オーベロン王に準え、諷刺したもの。昆虫のような小さな妖精に準えることで、騎士と女王の恋、王の嫉妬と戦いなどの滑稽味を表現している。
ピグウィギンは作中で馬上槍試合に赴く際、はさみ虫の馬に跨り、カブト虫の甲冑、馬の毛の羽飾り、とり貝の楯を身に付け、そして槍を携えている。槍の柄は硬く頑丈な燈心草、穂先はウマバエの鋭い舌先である。長さは2インチ(5センチ)ほど。

ピサールの毒槍
ピサール ケルト神話物語群『トゥレンの息子達の最期』
ペルシアの魔人王ピサールの持つ毒槍。常に放たれている毒と障気と熱を押さえるために、普段は氷水をいれた水瓶に浸けられている。
トゥレンの息子達である長兄ブリアン、次兄ユッハル、末子ユッハルヴァ(もしくはアネ)からなる三兄弟はダーナ神族の正統な王族たちだった。彼らはヌァザが擁立した新王ルーを嫌っており、純血の王族でない上に巨人族フォモールの血を引いているルーが許し難かった。 妖精王の加護を得ているルーには手出しができなかったため、代わりにルーの父キアンを殺害した。 殺される寸前に放ったキアンの最後の魔術により父の死を悟ったルーは王城に戻り、犯人を殺すのは容易いが彼らには死に勝る苦しみを与えるべきだと三兄弟に償いの試練を示した。それは「三つの林檎、一枚の豚の皮、一本の槍、二頭の馬と馬車、七匹の豚、一匹の子犬、一本の焼き串、三度の叫び」を取って来るというものであった。一見簡単そうな品々だがそれぞれが魔法の品々で、強力な守護者がそれぞれの品を守 っていた。このうち「一本の槍」にあたるのが、このピサールの毒槍である。

ピラム
コルマク ケルト神話
英雄コルマクが持つ槍で、チュレンの息子が鍛えた名槍。ルー・ラヴァーダに奪い取られ、エールから永久に失われた。火のように烈しい武器で、戦場では生き物のようにひとりでに飛び回るという。
古代ローマ軍団の兵が使っていた投げ槍もピラムと呼ばれるが、その名の由来はコルマクの槍であるとも言われる。

ブリューナク
Brionac

石弾
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ、光を司り太陽を象徴する槍で、『貫くもの』の意を持つ投槍。クラウ・ソラスと同じく、四つの魔都のひとつゴリアスが所有しエスラスが守護していたもので、ダーナ神族の四つの至高の宝のひとつでもある。どんなに離れていた敵でも決して的を外さず、5つに分かれた切っ先がそれぞれ光線となって敵を討つといわれる。
別説によれば、ブリューナクは本来スリングに似た用法の武器であり、自身の意思を持っていたという。ルーが放擲した瞬間に白熱する光を発し、轟く唸りと強雷をまとって敵をつらぬき、そのまま次から次へと自ら敵を求めて飛び回り、すべての敵を打ち倒すと再びルーの手元に舞い戻ってくるとされる。そのためこの槍はタスラムと同一視されている節がある。
ルーの異名である「ルー・ラヴァーダ(長き腕のルー)」とは、ブリューナクを放つ際に、白熱した光がルーの腕から伸びてゆく様を畏怖と共に称えたもの。

ナルラグアス
アングマールの魔王(エル・ムーラゾール) ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
アングマールの魔王(MERPではエル・ムーラゾールという名が与えられており、これはヌメノールのアドゥナイク語で『黒き王子』の意)の持つ矛で、アングバンドよりさらに以前のモルゴスの城砦ウツムノで作られたもの。ナルラグアスとは『死の宣告者』の意。

マルテ
Maltet
バリガン フランス叙勲詩『ローランの歌』
アラビア軍バビロニア総督、バリガンの持つ槍、もしくは矛。プレシューズと共に、彼の愛用の品の一つ。その穂先だけでもロバの重荷(重さの単位、約160kg)になるほどに重い。

ミストルテイン
Mystleteinn



ロキ
ホズ
北欧神話歌謡集『エッダ』
若いヤドリギが姿を変えたもの。解釈によりいくつかの形態がある。テインという単語は、ガンバンテインレーヴァテインなどと同様に杖を意味するため、杖、もしくは槍の形をとっていたといわれる。また、「巫女の予言」の原文では『災いの矢』と表現されている。
光の神バルドルは誰からも愛される純粋な心の持ち主だった。ある時彼は不吉な夢を見て苦しむ。心配した母のフリッグは、世界中に頼んで彼を傷つけないよう誓ってもらう。火、水、金属、全てがフリッグに誓いを立てた。本当にバルドルが傷つかないと確かめた神々は、彼に色々な武器を投げつける遊びを思い付いた。どんな武器も彼の前では力を失い落ちてしまった。不快に思ったロキは、ヴァルハラの西に生えている若いヤドリギだけは誓いを立てていないことを聞き出し、そのヤドリギを引き抜き、槍か矢のように仕立てた。そしてバルドルの盲目の兄弟ホズに近づき、なぜ遊びに加わらないのかと尋ねる。彼は、盲目である上に武器を持っていないからだと答えた。ロキは彼にヤドリギを持たせ、バルドルのいる方を教えた。言われるままにホズがヤドリギを投げると、バルドルはそれに貫かれて死んでしまった。
ヤドリギは時期になると枝が金色がかるため、光の象徴でもあった。唯一バルドルを殺せるものであったのも、同種の存在であったためである。

鎧棒
ソーロールヴ アイスランドサガ『エギルのサガ』
ソーロールヴがヴィーンヘイズの会戦にて用いた槍。刃渡りは2エレ(エレは肘から中指の端まで)の長さがあり、先端には四つの切っ先が打ち鍛えてつけられていた。刃は先の方が幅広く長く太かった。柄は長くはなく元の方まで手が届く位で、とても太かった。刃の元には鉄釘がついており、柄全体は鉄で巻かれていた。

ルーグの槍
Lugh

石弾
ルー ケルト神話
ブリューナク

ルーン
Luin
ドゥフタハ
ケルトハル・マク・ウテヒル
ケルト神話物語群『ウシュリウの息子達の流浪』
『クーリーの牛争い』
『ダ・デルガの宿泊所の破壊』
ドゥフタハの持つ名槍。ドゥフタハは誰からも恐れられたアルスターの武者。陰険な話ぶりから、ダイル・ウラド(アルスターのタマオシコガネ)、あるいはダイル・テンガ(タマオシコガネの舌)などとあだ名された。ドゥフタハは勇者ケルトハル・マク・ウテヒルから名槍ルーンを受け継いだ。この槍は一振りごとに、たとえそれが相手に届かずとも確実に人を殺し、投じれば一投ごとに九人を倒し、その九人のうち一人はかならず王か王太子か盗賊の頭領格であるという。ただし、戦いの前に穂先を毒に漬ける儀式を行い、槍の柄や持ち主が燃え上がらないようにしなければならなかった。ルーンとはアイルランド語で『槍』の意。

ロムルスの槍
Romulus
ロムルス ローマ英雄伝『ブルターク英雄伝』
軍神マルスの息子であるロムルスとレムスによってローマは建国された。ロムルスの死後、彼の用いた槍はパラディウムの丘に突き立てられ、やがて緑の大木となりローマを見守ったという。後に、ローマの滅亡と共に、その槍の大木も枯れてしまった。

ロン
Ron
アーサー ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
ロンゴミニアドの別称。

ロンゴミニアド
Rongomynyat/Rhongomyniad
アーサー ウェールズ伝承『マビノギオン』
アーサー王が使っていた名槍。長くて幅の広い槍だったといわれる。ロンゴミニアドとは『打ち手の槍』の意。「アーサー王伝説」ではロンと呼ばれる。

ロンギヌスの槍
Longinus
ロンギヌス 新約聖書 / ドイツ歌劇『パルジファル』
ロンギヌスとは人名。彼はキリストが磔刑に処された時に十字架の下にいた百卒長であった。彼はキリストの生死を確かめるため、その脇腹に槍を突き刺した。ロンギヌスの目は弱っており失明しかけていたのだが、槍を伝って流れたキリストの血潮が彼の目に入るとたちまち視力を回復したという。
ちなみに、新約聖書においては彼の名は登場していないため、名付けられたのは後世である。このロンギヌスという名だが、ラテン語のLongus、つまり元はただの『長い槍』という表記だったものを、誤って解釈したものと考えられる。ロンギヌスの名が定着したのはワーグナーの歌劇『パルジファル』より。
この槍は当時の官給品であるが、キリストを聖化せしめた受難の象徴とされ、キリストの血に触れたとして尊重されている聖遺物である。
後に、コンスタンティヌス1世の母ヘレナによって聖十字架、聖釘とともに発見され、6世紀以降のロンギヌス崇敬と結びつくことにより、様々な伝説が産まれた。曰く、決して癒えることのない「災いの一撃」とキリストの血により「治癒」の効果を併せ持つ、世界の命運を握る力を所有者に与える、等々である。そのため、カール大帝がこの槍の効験でイスラム軍を撃退した、ヒトラーの野望は彼がウィーンのホーフブルグ宮にある聖槍の霊感に打たれたときに始まった、等の噂さえまことしやかに語られている。
現在聖槍の主要な部分は、ヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂の奥深く、水晶製の聖遺物匣に入れられて所蔵されている。
また、しばしば『アーサー王伝説』の聖槍と混同されるが別物である。


斧、槌、棍

アイムール
Aymur
バアル ウガリット神話『竜神ヤムとバアルの争い』
水神ヤムを打ち倒すため、嵐の神バアルが匠神コシャル・ハシスに作らせた一対の棍棒のうちの一つ。もう一つはヤグルシ
これらにはヤムを王座から引き離し無力にする魔法の力があり、遠く離れたところからも自在に操ることができ、ひとりでに持ち主の手に戻ってくる。
バアルは外れてしまったヤグルシに次いでアイムールを投げつけたが、こちらはヤムに命中し、ヤムの力を失わせ王座から引き離した。
アイムールとは『反逆するもの』の意。

ウコンバサラ
Ukonvasara

ウッコ フィンランド神話
主神であり雷神でもあるウッコの持つハンマー状の石斧。ウッコはこの石斧から稲光を起こすことができた。治癒と破壊の両方の力を兼ね備えるとされる。ミョルニルの類型とも。

ウルゴン
ゴスモグ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
バルログの首領であるゴスモグの持つ「黒いまさかり」。エルダール軍の二度目の大敗北において、ノルドールの上級王フィンゴンを倒した際などに用いられた。強度と弾力性に富む繊維である黒いオガムアで作られており、全長は42フィート(12メートル半)に及ぶ。ウルゴンとはシンダリン語で『首領の精霊』、あるいは『命令者の精神』の意。クゥエンヤ語ではフェアゴンと呼ばれ、こちらも同様の意。

エケル
Eceru
アウレ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
ヴァラールの主要な一柱であり工芸を司るアウレの持つ鎚。金と黒のエオグで作られたもの。

グロンド
Grond

鉄杖
破城槌
モルゴス John Ronald Reuel Tolkien創作
モルゴスがフィンゴルフィンと戦った際に用いた戦槌、あるいは鉄杖。非常に巨大であり、大地に打ち付ければ大穴を穿ち、煙と火を発するほど。
ミナス・ティリスの城攻めに使われている破城槌は、この名を取って呼ばれた。長さが100フィートもある大きな槌が鎖で吊り下げられ、頭部は貪欲な狼に似せた形になっている。

シタ
cita
イナンナ シュメール神話『イナンナ女神の歌(粘土板)』
シュメール神話の戦神である女神イナンナが、母ニンガルの体内から生まれてきた際に掴んでいたとされる二振りのメイスのうちの一つ。『七つの頭を持つ矛』と称され、「輝くシタ武器で敵を殺してしまう」との一節がある。
もう一振りのメイスはミトゥム

スラーンドの斧
スラーンド アイスランドサガ『エギルのサガ』
ステイナルがソルステインに対抗するために自らの奴隷であるスラーンドに授けた斧。刃先は1エレ(エレは肘から中指の端まで)ほどの長さがあり、恐ろしく鋭かった。しかしスラーンドはソルステインにあえなく首を撥ねられてしまう。

ダグザの棍棒
Dagdha
ダグザ ケルト神話
大地と豊穣の神ダグザの持つ、生命を司る棍棒。8人がかりでやっと運べるほど巨大で、引きずれば土地の境界となる溝が出来るほどに重い。棍棒の片方には死が、片方には生が宿っている。片方の端で叩くと9人の敵を殺し、その者の骨を「馬のひづめの下に飛び散る霰」の様に吹き飛ばす。また、もう片方の端を振れば9人の死者を蘇らせることができる。

ドランボルレグ
Dramborleg
トゥオル John Ronald Reuel Tolkien創作
人間でありながら唯一エルフとして数えられたトゥオルの持つ大斧。ヌーメノール王家に受け継がれたが、水没とともに失われた。ドランボルレグとは『ずっしりと重く鋭い』の意。

フェアゴン
ゴスモグ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
ウルゴンをクゥエンヤ語で呼んだもの。

ミトゥム
mitum
イナンナ シュメール神話『イナンナ女神の歌(粘土板)』
シュメール神話の戦神である女神イナンナが、母ニンガルの体内から生まれてきた際に掴んでいたとされる二振りのメイスのうちの一つ。「ライオンの頭を持つ」との一節がある。
もう一振りのメイスはシタ

緑のストーブのかげにある棍棒
--- スウェーデン民話『おんどりとひき臼と棍棒(AT番号563)』
貧乏な百姓がハムと引き換えに、「金貨を吐き出せ、私の鶏」と命令すると金貨を吐き出す魔法の鶏を手に入れた。しかし帰り道に泊めてもらった家で、トロルの老女に普通の鶏とすりかえられてしまった。百姓は今度は、「白い小麦粉をひけ、わたしのひき臼」と命令するとひとりでに粉を引いてくれる魔法の石臼を手に入れたが、再び老女にすりかえられてしまった。百姓は最後に、「棒はみんな、わたしの敵をめちゃくちゃにたたきのめせ」と命令するとひとりでに動く魔法の棍棒を手に入れた。百姓が眠ったので、老女が魔法の効果を試そうと思い命令すると、棍棒は自ら動き出し、あらゆるものを見境無く、粉々になるほどに叩いてまわった。そこで老女は助けてくれとと叫んだ。百姓が「棒はみんな、かごにもどれ」と命令したので、トロルの老女は命だけは亡くさずに済んだ。百姓は老女から魔法の品々を取り返し、金持ちになった。

ミョルニル
Mjolnir
トール 北欧神話歌謡集『エッダ』
雷神トールが持つ巨大な石の槌で、ドウェルグ(小人族)のブロックルとエイトリが作り出した魔法の三品の一つ。ミョルニルとは『砕く者』の意。トールがミョルニルを敵めがけて投げつけると、雷撃とともに敵を打ちのめし、ブーメランのように戻ってきたという。その威力は山をも砕き、巨人フルングニールや大蛇ミッドガルドを撃ち殺すほど。ミョルニルは決して的を外すことがなく、決して壊れなかったといわれており、さらに使わない時には自由に小さくすることができた。敵を倒す以外にも物や人を清める作用があり、しばしばトールは結婚式や葬式でこの槌を使用している。この槌は強大な力と凄まじい重量を持つため、扱うには小人が作った鉄の手袋をはめ、四肢の力を増幅させる力の帯(メギンギョルズ)を締めなければならなかった。
ロキがシフの髪と共に持ち帰った宝物をブロックルに自慢した際、彼がそれ以上の宝物を作れるかどうかを賭けることになった。できた宝物の一つがこのミョルニルだが、制作課程でロキが虻に変身して目を刺し邪魔をしたため、火が弱まり、柄の長さがやや短くなっている。

ヤグルシ
Yagrush
バアル ウガリット神話『竜神ヤムとバアルの争い』
水神ヤムを打ち倒すため、嵐の神バアルが匠神コシャル・ハシスに作らせた一対の棍棒のうちの一つ。もう一つはアイムール
これらにはヤムを王座から引き離し無力にする魔法の力があり、遠く離れたところからも自在に操ることができ、ひとりでに持ち主の手に戻ってくる。
バアルはヤグルシをヤム目掛けて投げつけたが、ヤグルシは的を外して戻ってきてしまったため、再度アイムールを投げ付ける。
ヤグルシとは『駆逐するもの』の意。

ラビリス
Labrys/Labylith
ミノタウロス ギリシャ神話
ミノス王の命により、ダイダロスが迷宮ラビリントスに閉じ込めた半人半牛の怪物、ミノタウロスが持っていた巨大な斧。ラビリスとはギリシャ語で『双斧』の意。英語の『迷宮(Labyrinth)』の語源となった。

ワズラ
ミスラ ペルシャ神話
ペルシャの契約神、ミスラの持つ棍棒。インドのヴァジュラに相当する。
ミスラとはゾロアスター教における最高神、アフラ・マズダの息子のことで、その名は『契約』を意味する。古代には、太陽神と同一視される事があるほど広く崇拝されていた。
死後の裁きに関与する大天使であり、8人の部下を使い、人間の善行と悪行を監視する。国の支配者や族長であろうとも、その契約を破った者には容赦せず、徹底的に滅ぼした。ミスラは全ての事柄を知り、何者もこの神の眼から逃れることは出来なかったという。
もともとはアフラ・マズダに並ぶ強大な神格であり、ユダヤの超天使メタトロンやローマのミトラス神、仏教の弥勒菩薩の原型ともされる。


弓矢、投擲

赤い矢
Red arrow
ヒアゴン John Ronald Reuel Tolkien創作
ゴンドールがローハンに救援を求める印の品。ヒアゴンによって、デネソール二世からセオデンに届けられた。

アツイニルトルイシュ・カアー
ニヨル
ベエシュ・アシュキイ
ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する矢。強風の神ニヨルと「ナイフの少年」という名の神ベエシュ・アシュキイが持っている。アツイニルトルイシュ・カアーとは『稲妻の矢』の意。

アツオオラガハル・カアー
ニヨル
ベエシュ・アシュキイ
ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する矢。強風の神ニヨルと「ナイフの少年」という名の神ベエシュ・アシュキイが持っている。アツイニルトルイシュ・カアーとは『電光の矢』の意。

アバリスの矢
Abaris
アバリス ギリシャ神話
アポロが賢人アバリスに与えた魔法の矢。持ち主の姿を消し、病気を治し、未来を予見する力を持つ。

アラクー
Aracu
アムラス ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
7人のフェアノールの息子達のうち、末子の双子の兄、アムラスの持つ弓。アラクーとは『高貴なる弓』の意。

アルチイ・ジルヒル
ニルチイ ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する弓。「風」という名の風神ニルチイが、「ついている男」という名の賭博の精、ナアーウイールビイーヒを追放する時に用いたもの。アルチイ・ジルヒルとは『暗闇の弓』の意。

オティヌスの弩
オティヌス デンマーク史『ゲスタ・ダノールム』
オーディンをモデルにした老人、オティヌスの持つ弩。
皮袋から取り出されると先端が延び、一度に10本の矢をつがえることができる。

キム・クイの弓
アン・ズオン・ブゥオン(安陽王) ベトナム伝承『アウラク国の物語』
昔、アウラク国という国があり、安陽王という王がいた。ある時、亀の姿の神キム・クイが現れ、城を建てるなら階段は螺旋にするよう告げられた。その通りにすると堅固なコーロア城ができた。また、亀の足の爪を与えられ、言われる通り弓をつくると一矢で千人を倒す強力な弓ができた。

黒い矢
Black arrow
バルド John Ronald Reuel Tolkien創作
『ホビットの冒険』
バルドが黄金竜スマウグを射た際にもちいたもの。バルドの一族が父祖から代々受け継いで常に最後の矢として使い、その度に獲物から取り戻してきた一本の矢で、これまでに決して的を外したことがない。
スマウグは強い鱗に覆われていない胸を鉄板とダイヤのチョッキで覆い守っていたが、ビルボはその左の胸さきに穴があるのを見つけていた。その話を聞いていたツグミから穴の位置を教わったバルドは、いちいの木の大弓を用いて見事スマウグの左胸へと黒い矢を命中させ、仕留める。

ゲイアサイル
Gae Assail

石弾
ルー ケルト神話
ブリューナク

シャビトルオール・カアー
ニヨル
ベエシュ・アシュキイ
ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する矢。強風の神ニヨルと「ナイフの少年」という名の神ベエシュ・アシュキイが持っている。アツイニルトルイシュ・カアーとは『太陽の光の矢』の意。

スーザンの弓
Susan
スーザン Clive Staples Lewis 創作
『ナルニア国ものがたり』
サンタクロースよりスーザンへ贈られた、決して的を外すことの無い弓。リンドンの剣を参照。

ゼノンの矢
Zenon
--- 哲学主題
ゼノンの矢とは、エレア派のゼノンの考えたパラドックスの一つであり、詭弁とも哲学的思考のための好問題とも言われ、「アキレウスと亀」に並ぶ有名な主題。物体の運動と極限に関するものである。
矢が飛んでいるとしたとき、ある瞬間には矢はある場所に位置している。僅かな時間だけに区切って見れば、矢は僅かしか移動しない。この時間をどんどん短くしていけば、その瞬間だけは同じ場所に留まっているであろう。次の瞬間にも、同じ理由で同じ場所に留まっている筈である。こうして矢は、どの瞬間にも同じ場所から動くことはできず、従って矢の運動は不可能である、とするパラドックス。
ちなみに、この主題は微積分と極限の概念を用いることで説明が可能である。

タスラム
Taslam
石弾
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ武器の一つである石弾。タスラムとは『光速』の意。フォモール族の邪眼のバロールを倒した武器である。太陽弾とも呼ばれ、ルーの魔力がこめられていたとされる。
ダーナ神族(トゥアハ・デ・ダナーン)の最大にして最後の敵であるバロールは、恐るべき魔眼を持っていた。その瞼は、開くのに数人がかりの力が必要なほど重かったが、一度開けば、その目で見た物全てを殺してしまう魔力があった。しかし、この眼は、彼の唯一の弱点でもあった。ルーは魔弾タスラムを用意し、バロールが眼を開く瞬間を狙ってそれを射た。弾は見事にバロールの眼を射抜き、こうして戦いはダーナ神族の勝利に終ったのである。

ナアツイーリド・カアー
ニヨル
ベエシュ・アシュキイ
ネイティブアメリカン・ナヴァホ族伝承
創世神話に登場する矢。強風の神ニヨルと「ナイフの少年」という名の神ベエシュ・アシュキイが持っている。アツイニルトルイシュ・カアーとは『虹の矢』の意。

フェイルノート
Failnaught/L'arc qui ne faut
トリスタン ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
無駄無しの弓の英語読み。

ブリューナク
Brionac

石弾
ルー ケルト神話
光の神ルーの持つ、光を司り太陽を象徴する槍で、『貫くもの』の意を持つ投槍。クラウ・ソラスと同じく、四つの魔都のひとつゴリアスが所有しエスラスが守護していたもので、ダーナ神族の四つの至高の宝のひとつでもある。どんなに離れていた敵でも決して的を外さず、5つに分かれた切っ先がそれぞれ光線となって敵を討つといわれる。
別説によれば、ブリューナクは本来スリングに似た用法の武器であり、自身の意思を持っていたという。ルーが放擲した瞬間に白熱する光を発し、轟く唸りと強雷をまとって敵をつらぬき、そのまま次から次へと自ら敵を求めて飛び回り、すべての敵を打ち倒すと再びルーの手元に舞い戻ってくるとされる。そのためこの槍はタスラムと同一視されている節がある。
ルーの異名である「ルー・ラヴァーダ(長き腕のルー)」とは、ブリューナクを放つ際に、白熱した光がルーの腕から伸びてゆく様を畏怖と共に称えたもの。

ベルスロンディング
Belthronding
ベレグ John Ronald Reuel Tolkien創作
ノルドールの黒い水松樹で作られた弓。もっとも偉大なエルフの射手であるベレグ・クーサリオン(強弓のベレグ、の意)のもので、この弓が的を外すことはほとんど無かったといわれる。ベルスロンディングは、ベレグが友人であるトゥーリンに誤って殺されたとき、彼の墓に一緒に葬られた。

魔弾
Frei Kugel
弾丸
カスパール
マックス
ドイツ民話 / ドイツ歌劇『魔弾の射手』
ドイツ民話に登場する弾丸。後にウェーパーによって『魔弾の射手』としてオペラ化された。
魔弾とは悪魔との契約により造ることのできる弾丸で、自由自在に曲がり、銃口を何処に向けようとも必ず狙ったものに当たる。唯一の例外は、悪魔が何らかの意思をもって的を変えた時だけである。契約の条件は自分の魂を3年後に譲ることで、一度の鋳造で七発だけ手に入る。3年間が経過する前に新しい依頼人を悪魔に紹介すれば、魂は取られない。
当然ながら、タスラムとは別物である。

ミストルテイン
Mystleteinn



ロキ
ホズ
北欧神話歌謡集『エッダ』
若いヤドリギが姿を変えたもの。解釈によりいくつかの形態がある。テインという単語は、ガンバンテインレーヴァテインなどと同様に杖を意味するため、杖、もしくは槍の形をとっていたといわれる。また、「巫女の予言」の原文では『災いの矢』と表現されている。
光の神バルドルは誰からも愛される純粋な心の持ち主だった。ある時彼は不吉な夢を見て苦しむ。心配した母のフリッグは、世界中に頼んで彼を傷つけないよう誓ってもらう。火、水、金属、全てがフリッグに誓いを立てた。本当にバルドルが傷つかないと確かめた神々は、彼に色々な武器を投げつける遊びを思い付いた。どんな武器も彼の前では力を失い落ちてしまった。不快に思ったロキは、ヴァルハラの西に生えている若いヤドリギだけは誓いを立てていないことを聞き出し、そのヤドリギを引き抜き、槍か矢のように仕立てた。そしてバルドルの盲目の兄弟ホズに近づき、なぜ遊びに加わらないのかと尋ねる。彼は、盲目である上に武器を持っていないからだと答えた。ロキは彼にヤドリギを持たせ、バルドルのいる方を教えた。言われるままにホズがヤドリギを投げると、バルドルはそれに貫かれて死んでしまった。
ヤドリギは時期になると枝が金色がかるため、光の象徴でもあった。唯一バルドルを殺せるものであったのも、同種の存在であったためである。

無駄無しの弓
Failnaught/L'arc qui ne faut
トリスタン ウェールズ伝承『アーサー王伝説』
トリスタンの作った弓。狙ったものには人、動物を問わず必ずや命中するという。フェイルノートとも。

ルーグの槍
Lugh

石弾
ルー ケルト神話
ブリューナク

ルヴァニンクゥエ
オロメ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
ヴァラールの一柱であり狩人の神であるオロメの持つ大きな白い弓。「力の戦い」などにおいて用いられた。

ロモクゥエナーロ
アングマールの魔王(エル・ムーラゾール) ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
アングマールの魔王(MERPではエル・ムーラゾールという名が与えられており、これはヌメノールのアドゥナイク語で『黒き王子』の意)の持つ弓。矢に代わり火球を発射する。


杖、錫

アンヌミナスの王笏
Annuminas
アルノール王家 John Ronald Reuel Tolkien創作
アルノール王家の王の位を示す銀の王笏。元々はヌメノールの、アンドゥニエ領国の領主を示す笏で、エレンディルによってヌメノールの没落を逃れ中つ国へと伝えられ、そのままアルノールの王笏となった。アルノールが滅亡すると裂け谷に預けられ、エレスサール王の戴冠式の時にエルロンドからエレスサール王に渡された。

黄金づくりの小杖
--- ドイツ叙事詩『ニーベルンゲンの歌』
名前だけが登場するも、詳細は不明。

オレイカルコスの杖
Oreikhalkos
ランペティア 北欧神話歌謡集『エッダ』
オレイカルコス(オリハルコン)とは『山の青銅』の意。ヘルメスの牛を守っているランペティアが、この金属でできた杖を持つ。

カデュケウス
Caduceus
ヘルメス ギリシャ神話
ギリシャの伝令神ヘルメス(メルクリウス、マーキュリー)が、自分のアポロンへの悪戯の代償に、竪琴との交換で手に入れた杖。生気を抜き取り、生死や眠りを操る力を持つ。2匹の蛇が絡みついている姿で表され、棒の先端部には1対の翼が付けられている場合が多い。先端部が三日月、翼のついた兜である場合もある。この蛇はギリシア神話においてヘルメス神が2匹の蛇の喧嘩を仲裁した事に由来するため蛇は2匹でなくてはならず、アスクレピオスの持つ同名の杖とは別物である。カデュケウスとはラテン語で『伝令使の杖』の意であり、ヘルメスが伝令神であることから名づけられたと思われる。この杖はケーリュケイオンとも呼ばれるが、同様にケーリュクスが『伝令使』という意味を持つ。
また、伝令使の持つ杖の総称としても用いられる。

カデュケウス
Caduceus
アスクレピオス ギリシャ神話
アポロンの息子、ギリシャの医術神アスクレピオスの持つ杖。一匹の蛇が絡みついている姿で表される。医学の象徴としての1匹の蛇が絡みついた杖であり、ヘルメスの持つ同名の杖とは別物である。蛇は脱皮を繰り返すという点から若さと再生の象徴でもある。
アスクレピオスはケンタウロスであるケイロンから医術を教わると死から人間を救う術を覚え、死者をも蘇らせた。冥界の神ハデスがこれに激昂し、弟ゼウスに烈しく抗議した。ゼウスは雷器ケラウノスを放ち、孫であるアスクレピオスを殺し、星座とした。これが蛇つかい座である。息子が殺されて星座にされたことを不服とした父神アポロンは、ゼウスに刃向かえないためケラウノス製造者キュクロプスを虐殺し、一年間罰を受ける事になったが、アスクレピオスは正しく神と扱われることになった。

ガンバンテイン
Ganbanteinn
ヘルモーズ
スキールニル
フレイ
北欧神話歌謡集『エッダ』
仮。

グリダヴォル
Gridarvolr
グリーズ
トール
北欧神話歌謡集『エッダ』
トールが巨人ゲイルロッドの元を訪れる前に立ち寄った、ヴィーザルの母であるグリーズという女巨人から借りた杖。力の帯と鉄の手袋を借りたのも彼女からである。グリダヴォルとは『グリーズの杖』の意。

ケーリュケイオン
Ceryceion
ヘルメス
アスクレピオス
ギリシャ神話
カデュケウス[1][2]の別称。

タパク・ヤウリ
Tapac Yauri
マンコ・カパック
ママ・オウロ
インカ神話
太陽神インティの息子マンコ・カパックとその兄妹であり夫婦でもあるママ・オウロに、インティから与えられた黄金の杖。二人は、この杖が地面に沈み込むところに太陽の神殿を作り人々を指導するよう指示され, 地上のあちこちを歩き回った。すると、クスコの地にて杖が彼らの手を離れ地中深くに潜り込んだため、二人はこの地に家を作り、人々に様々な事を教えた。多くの人々がクスコの地に集い、やがてクスコは大都市となった。このことから、黄金の杖はこの権威の象徴としても捉えられている。

テュルソス
Thyrsos
ディオニュソス ギリシャ神話
ディオニュソスの持つ杖。蔦と葡萄の葉で覆われた木の枝で、先端に松の毬が付いており、大地を肥沃にするこの神の力を表している。テュルソスの他にも、サテュロスたち、マイナスたち、森の精やディオニュソスの聖なるオルギアに加わる者たちなど、ディオニュソスの信徒である者たちも同様のものを持ち運んだ。男根の象徴でもあり、ブドウ酒杯が一緒に描かれる際には、男女の結合を意味した。

ミストルテイン
Mystleteinn



ロキ
ホズ
北欧神話歌謡集『エッダ』
若いヤドリギが姿を変えたもの。解釈によりいくつかの形態がある。テインという単語は、ガンバンテインレーヴァテインなどと同様に杖を意味するため、杖、もしくは槍の形をとっていたといわれる。また、「巫女の予言」の原文では『災いの矢』と表現されている。
光の神バルドルは誰からも愛される純粋な心の持ち主だった。ある時彼は不吉な夢を見て苦しむ。心配した母のフリッグは、世界中に頼んで彼を傷つけないよう誓ってもらう。火、水、金属、全てがフリッグに誓いを立てた。本当にバルドルが傷つかないと確かめた神々は、彼に色々な武器を投げつける遊びを思い付いた。どんな武器も彼の前では力を失い落ちてしまった。不快に思ったロキは、ヴァルハラの西に生えている若いヤドリギだけは誓いを立てていないことを聞き出し、そのヤドリギを引き抜き、槍か矢のように仕立てた。そしてバルドルの盲目の兄弟ホズに近づき、なぜ遊びに加わらないのかと尋ねる。彼は、盲目である上に武器を持っていないからだと答えた。ロキは彼にヤドリギを持たせ、バルドルのいる方を教えた。言われるままにホズがヤドリギを投げると、バルドルはそれに貫かれて死んでしまった。
ヤドリギは時期になると枝が金色がかるため、光の象徴でもあった。唯一バルドルを殺せるものであったのも、同種の存在であったためである。

レーヴァテイン
Revateinn

スルト 北欧神話歌謡集『スヴィプダーグのバラード(古エッダ)』
炎の国ムスペルヘイムを統べる巨人スルトの持つ杖。ロプト(ロキの異名)がニヴルヘイムの門の前で作ったもの。
スヴィプダーグは、巨人族の娘メングラッドを探し出して妻にしなければならないという呪いをかけられていたため、世界中をさまよっていた。彼はヨツンヘイムの砦リュルに辿り着いたが、そこで門番である、フィヨルスヴィドとの問答となる。砦に入るには、番犬の気をそらす肉が必要である。その肉はユグドラシルの上に住む黄金の雄鶏ヴィドフニルでなくてはならない。ヴィドフニルを倒せるのは、スルトの持つレーヴァテインだけである。レーヴァテインは、スルトの妻シンモラが九つの錠をかけた鉄の宝箱に入れて守っている。シンモラからレーヴァテインを譲ってもらうには、ヴィドフニルの黄金の尾羽を贈るしかない。
レーヴァテインとは『傷つける魔の杖(枝、串)』の意であるが、『〜の枝』という形はケニング(比喩)で剣を表すこともあり、レーヴァテインが剣である可能性もある。ただし、スルトの持つ世界を焼き尽くした炎の剣と同一のものであるというの言及は無い。
北欧神話には他にもガンバンテインミストルテインなど、語尾にテインとつく武器が数多く存在するが、それらはいずれも杖の形を取っている。


その他

イガリマ 不明
ザババ メソポタミア神話
戦の神であり、キシュの守護神でもあるザババの持つ二つの武具のうちの一つ。もう一つはシュルシャガナ

ヴァラキアカ
Valacirca
ヴァルダ John Ronald Reuel Tolkien創作『シルマリルの物語』
北斗七星のこと。メルコールに対して他のヴァラ(神)により振り上げられた鎌、滅びのしるしであり、ヴァルダの手により北の空へとかけられた七つの強い星々である。ヴァラキアカとはクゥエンヤで『ヴァラール(神々)の鎌』の意。この星々は『ホビットの冒険』にも登場し、古英語でウェインと呼ばれる。ウェインとは荷車のことで、これも北斗七星を指す。

ヴァラールの鎌
Valar
ヴァルダ John Ronald Reuel Tolkien創作『シルマリルの物語』
ヴァラキアカ

オッカムの剃刀
Occam
剃刀
--- 哲学主題
オッカムの剃刀とは14世紀の神学者オッカムが考えた哲学主題であり、「むやみに実体の数を増やしてはならない」 とするもの。幾つかの事柄で十分説明できるにも拘らず、説明に最低限必要でない余計な存在がある場合、それらは不必要なものなのであるから削ぎ落とすべきである、とする考え方であり、この場合の剃刀とは、不要な仮説、概念を削ぎ落とすという行為のための比喩である。

グロンド
Grond

鉄杖
破城槌
モルゴス John Ronald Reuel Tolkien創作
モルゴスがフィンゴルフィンと戦った際に用いた戦槌、あるいは鉄杖。非常に巨大であり、大地に打ち付ければ大穴を穿ち、煙と火を発するほど。
ミナス・ティリスの城攻めに使われている破城槌は、この名を取って呼ばれた。長さが100フィートもある大きな槌が鎖で吊り下げられ、頭部は貪欲な狼に似せた形になっている。

ケラウノス
ゼウス ギリシャ神話
主神ゼウスの操る武器の一つである雷器で、投げつけて使用する。嵐を司るオーディンにとって、稲妻の象徴ともいえる武器である。キュクロプスが鍛えたもので、形状を持たず雷そのものであったという。ケラウノスとは『雷』の意。

シュルシャガナ 不明
ザババ メソポタミア神話
戦の神であり、キシュの守護神でもあるザババの持つ二つの武具のうちの一つ。もう一つはイガリマ

フラベルム
Flabellum
セラフィム 『創世記』
キリスト教において最も神に近い階級の天使である熾天使、セラフィムの持つ聖なる扇。
セラフィムは6枚の翼を持つとされ、2枚で顔を覆い、2枚で足を隠し、残りの2枚で飛翔する。そして、手にはサンクトゥス(ヘブライ語でトリスアギオン「聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな」)の歌詞を刻んだ聖なる扇か、もしくは旗を持っている。彼等は常に神の御座の周囲を飛翔し、サンクトゥスを唱えている。フラベルムとは『扇』の意。更に遡れば『風』の意である。
この扇は、ケルビムの持つ炎の剣ラハト・ケレブ(直訳すると魔法の剣)と混同される節がある。発音の似たflagやflamが炎を意味すること、またセラフィムが『焼く』を意味するsaraphと結び付けられたことによる熾天使の炎のイメージが、それを助長しているものと思われる。

フルングニルの砥石
砥石
フルングニル 北欧神話歌謡集『エッダ』
巨人族の中で最も強いフルングニルがリョートナガルダルにおけるトールとの決闘の際に武器として用いた巨大な砥石。
フルングニルは砥石を、トールはミョルニルをそれぞれ投げつけたが、砥石はミョルニルに粉々に打ち砕かれ、その破片はミッドガルド中に飛び散ってしまう。これが今日、人間の採石場となっているという。
砕け散った破片はトールの額に突き刺さり、トールはあまりの痛みに、巫女グロアに魔法で取り除かせることにした。しかしその途中、トールがグロアを喜ばせようとグロアの夫の無事を告げると、グロアは喜びのあまり魔法をかけるのを止めてしまい、結局、砥石の破片は取り除かれること無くトールの頭に残り続けた。

ペドーノール
Pedonor
ゴスモグ ICE社創作
『Middle-Earth Role Playing』
指輪物語に独自の創作設定を加えたTRPG、MERPに登場する。
バルログの首領であるゴスモグの持つ鞭。強度と弾力性に富む繊維である黒いオガムアで作られており、全長は42フィート(12メートル半)に及ぶ。ペドーノールとはシンダリン語で『炎の語り手』の意。

ミストルテイン
Mystleteinn



ロキ
ホズ
北欧神話歌謡集『エッダ』
若いヤドリギが姿を変えたもの。解釈によりいくつかの形態がある。テインという単語は、ガンバンテインレーヴァテインなどと同様に杖を意味するため、杖、もしくは槍の形をとっていたといわれる。また、「巫女の予言」の原文では『災いの矢』と表現されている。
光の神バルドルは誰からも愛される純粋な心の持ち主だった。ある時彼は不吉な夢を見て苦しむ。心配した母のフリッグは、世界中に頼んで彼を傷つけないよう誓ってもらう。火、水、金属、全てがフリッグに誓いを立てた。本当にバルドルが傷つかないと確かめた神々は、彼に色々な武器を投げつける遊びを思い付いた。どんな武器も彼の前では力を失い落ちてしまった。不快に思ったロキは、ヴァルハラの西に生えている若いヤドリギだけは誓いを立てていないことを聞き出し、そのヤドリギを引き抜き、槍か矢のように仕立てた。そしてバルドルの盲目の兄弟ホズに近づき、なぜ遊びに加わらないのかと尋ねる。彼は、盲目である上に武器を持っていないからだと答えた。ロキは彼にヤドリギを持たせ、バルドルのいる方を教えた。言われるままにホズがヤドリギを投げると、バルドルはそれに貫かれて死んでしまった。
ヤドリギは時期になると枝が金色がかるため、光の象徴でもあった。唯一バルドルを殺せるものであったのも、同種の存在であったためである。


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